乳腺腫瘍摘出術(良性)
腫瘤摘出
線維腺腫や葉状腫瘍などの良性乳腺腫瘍に対して、腫瘍だけを摘出する手術。所要時間は30分〜1時間程度。若い女性が多く、整容性(傷跡)への配慮が重視される。日帰り・短期入院で行われることが多い。
ここは要注意
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- 良性でも葉状腫瘍は再発・悪性化しうる。病理結果まで「良性だから大丈夫」と言い切らない。
- 覚醒下では会話がすべて聞こえる。診断名に関わる話題を術野でしない。
- 検体の左右・部位の確認を絶対に省略しない。
- マーキングワイヤーを引き抜くと病変の位置が分からなくなる。取り扱いに注意する。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+患側上肢の外転(90度以内)。患側の背部に枕を入れて術野を作る。
麻酔
局所麻酔または全身麻酔。腫瘍の大きさと部位により決まる。
皮膚消毒
患側の乳房を中心に前胸部、腋窩を含める。
必要物品・器械
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基本セット
- 乳腺小手術セット
- 小さな鉤、剥離剪刀、モスキート鉗子、細い持針器
特殊器械
- 超音波診断装置(触れない腫瘍の位置確認に使用)と滅菌プローブカバー
- 電気メス、細いバイポーラ
- マーキング用のワイヤーまたは色素(触知できない病変の場合)
- 拡大鏡(ルーペ)
ディスポーザブル製品
- 検体容器(病理提出用)
- 皮下縫合糸(整容性のため吸収糸で丁寧に)、皮膚接合用テープ
- 止血材、洗浄用生食
- 術後の圧迫用パッド
器械出し看護師のポイント
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- 整容性が重視される。皮膚を愛護的に扱う器械を選び、電気メスの使いすぎを避ける術者の意図を理解する。
- 触知できない腫瘍ではマーキングワイヤーや超音波で位置を確認する。ワイヤーを引き抜かないよう注意する。
- エコーを使う場合は滅菌プローブカバーの装着手順を事前に確認しておく。
- 摘出標本は病理に提出する。葉状腫瘍の可能性がある場合は断端の向きも重要。術者に確認する。
- 血腫は術後のしこりの原因になる。止血用の器械を切らさない。
- 短時間の手術でも器械・ガーゼ・針のカウントは省略しない。
外回り看護師のポイント
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- 若い女性が多く、術後の傷跡や乳房の形への不安が大きい。声かけと術後説明の場を整える。
- 局所麻酔の場合は会話がすべて聞こえている。「がん」「悪性」といった言葉の扱いに配慮する。
- 上肢の外転は90度以内。腕神経叢損傷を防ぐ。
- 検体の取り違えは診断を誤らせる。氏名・部位・左右を二人で確認する。
- 術後は圧迫と安静が必要。日帰りの場合は帰宅後の観察点(腫脹・出血・発熱)を説明する。
- 予測される合併症:血腫、創部感染、乳房の変形、(葉状腫瘍では)再発。
緊急時の対応
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- 術中の出血では電気メス・バイポーラ・結紮糸を追加し、創を広げる準備をする。
- 局所麻酔薬中毒(口周囲のしびれ、耳鳴り):投与を中止し、脂肪乳剤と救急カートを準備する。
- 血管迷走神経反射(気分不良・徐脈):仰臥位のまま下肢挙上と輸液の準備をする。
- 術後の血腫による創部の緊満は再開創が必要になる。連絡経路を申し送る。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。