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乳腺外科乳癌手術

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乳房切除術

乳癌に対して乳房全体を切除する手術。腋窩リンパ節郭清を併施することがある。所要時間は2〜3時間程度。切除範囲が広く、術後のドレーン管理とボディイメージの変化への配慮が必要になる。

ここは要注意!

  • 患側上肢での血圧測定・採血はリンパ浮腫を誘発する。術後の禁止事項として確実に申し送る。
  • 皮弁を薄く剥離するため、術後に皮膚が壊死することがある。皮膚の色を観察して記録する。
  • 検体の左右・部位の確認を絶対に省略しない。
  • 術後のボディイメージへの配慮は看護の中心。術野の会話にも配慮する。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位+患側上肢の外転(90度以内)。患側の背部に枕を入れて術野を作る。

麻酔

全身麻酔(気管挿管)。神経ブロックを併用することもある。

皮膚消毒

患側の頸部〜臍レベル、正中を越えて対側まで、腋窩と上腕を含めて広く消毒する。

必要物品・器械

基本セット

  • 乳腺手術セット
  • 自動開創器、長めの剥離剪刀、コッヘル・ペアン多数
  • 持針器・鑷子

特殊器械

  • 電気メス(切開と剥離の大部分に使用)、バイポーラ
  • ガンマプローブ(センチネルリンパ節生検を併施する場合)
  • 腋窩郭清用の細い剥離器械(神経・血管温存のため)
  • 皮弁の厚さを見るための照明・ヘッドライト

ディスポーザブル製品

  • ドレーン(腋窩・胸壁に留置。持続吸引式)
  • 検体容器(乳房標本、リンパ節)
  • 止血材、皮下縫合糸
  • 術後の乳房パッド・固定用の胸帯

器械出し看護師のポイント

  1. 剥離範囲が広く、電気メスを長時間使う。先端の焦げ付きを拭き取り、切れ味を保つ。

  2. 腋窩郭清では胸背神経・長胸神経を温存する。術者が神経を探す場面では静かに待ち、細い器械を渡す。

  3. 摘出標本は大きい。落下や汚染を避け、方向を確認して容器に移す。

  4. ガーゼの使用枚数が多くなる。こまめにカウントし、術野に置きっぱなしにしない。

  5. ドレーンの本数と留置部位を術者と確認し、固定用の糸を準備する。

  6. 閉創前の止血確認を丁寧に行う。術後血腫はドレーン管理を難しくする。

外回り看護師のポイント

  1. 出血量とガーゼ枚数の管理。剥離面が広いため、じわじわとした出血が積み重なる。

  2. 上肢の過外転を避ける。腕神経叢損傷は術後のリハビリに影響する。

  3. ドレーンの本数・留置部位・持続吸引の設定を病棟へ正確に申し送る。

  4. 患側上肢の採血・血圧測定・点滴を避けるルールを、術後の申し送りとベッドサイド表示で共有する。

  5. ボディイメージの変化に対する精神的ケアが重要。術後の説明の場や、家族への配慮を申し送る。

  6. 体温管理:露出面が広く手術時間も長い。加温装置を使用する。

  7. 予測される合併症:出血・血腫、リンパ漏(腋窩郭清時)、上肢のリンパ浮腫、皮弁壊死、創感染。

緊急時の対応

  1. 術中の大量出血:吸引と止血材を追加し、電気メス・バイポーラの出力設定を確認して術者を支える。

  2. 腋窩の大血管(腋窩静脈)損傷は重篤。直ちに応援と血管外科へのコンサルト、輸血を手配する。

  3. 術後血腫による皮弁の緊満:直ちに報告し、創開放・止血のための再手術の準備をする。

  4. 急変時も患者のプライバシーと尊厳への配慮を忘れない。不要な露出を避ける。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。