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歯科口腔外科腫瘍

口腔腫瘍

口腔腫瘍切除術(+頸部郭清)

舌癌や歯肉癌などの口腔癌に対して、腫瘍を切除し、必要に応じて頸部リンパ節郭清と再建(皮弁)を行う手術。所要時間は5〜10時間と非常に長い。気道確保のため気管切開を併施することが多く、看護の役割が広範囲におよぶ。

ここは要注意!

  • 口腔内(汚染)と頸部・皮弁(清潔)の器械を混ぜない。線引きの崩れが重篤な感染を生む。
  • 術中迅速病理の検体をホルマリンに入れない。凍結標本が作れなくなる。
  • 皮弁の血流障害は6〜12時間以内の再手術で救えることがある。観察方法の申し送りを省略しない。
  • 超長時間手術の褥瘡と神経障害は「固定したから終わり」ではない。術中の再評価を行う。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位+肩枕で頸部を伸展、頭部を反対側に回旋。皮弁採取部(前腕・大腿・腹部など)も術野になるため、複数の部位を同時に出せる体位にする。長時間のため除圧を徹底する。

麻酔

全身麻酔。経鼻挿管または気管切開下の麻酔。長時間麻酔で、術中の輸液・輸血・体温管理が重要になる。

皮膚消毒

口腔周囲・顔面・頸部に加え、皮弁採取部(前腕・大腿・腹部など)も別に消毒する。

必要物品・器械

基本セット

  • 口腔外科・頭頸部手術セット
  • 頸部郭清用の細い剥離剪刀・モスキート鉗子多数
  • 持針器・鑷子

特殊器械

  • 電気メス、バイポーラ、超音波凝固切開装置
  • 気管切開セット(併施する場合)
  • 神経モニタリング(副神経・顔面神経下顎縁枝の温存)
  • 遊離皮弁を用いる場合はマイクロ器械一式と手術用顕微鏡、血管クリップ
  • 骨切りを伴う場合は骨鋸とプレートシステム

ディスポーザブル製品

  • 気管カニューレ(気管切開併施時)
  • 術中迅速病理用の検体容器(切除断端の評価に使う)
  • 血管吻合用の極細糸(8-0、9-0)、ヘパリン加生食
  • ドレーン(頸部・皮弁採取部)、止血材
  • 皮弁のモニタリング用の器材

器械出し看護師のポイント

  1. 5〜10時間の長時間手術。器械台の整理を保つことが後半の安全を決める。交代時の引き継ぎを口頭で確実に行う。

  2. 口腔(汚染野)と頸部・皮弁採取部(清潔野)で器械を必ず分ける。混ぜると重篤な感染につながる。

  3. 術中迅速病理で切除断端を評価する。検体はホルマリンに入れず、部位を明示して直ちに提出する。

  4. 遊離皮弁の血管吻合はマイクロ操作。極細糸の針を1本ずつカウントし、顕微鏡下では静かに器械を渡す。

  5. 皮弁は血流が命。採取後は乾燥させず、ヘパリン加生食で保護する。

  6. 気管切開を併施する場面では術野火災に注意する。酸素濃度と電気メスの使用を確認する。

外回り看護師のポイント

  1. 超長時間手術。体位固定後の除圧確認に加え、術中も定期的に圧迫部位を評価し記録する。褥瘡のリスクが非常に高い。

  2. 術中迅速病理の結果で切除範囲が変わる。提出から結果までの時間を把握し、術者に伝える。

  3. 遊離皮弁では術後の血流モニタリングが最重要。観察方法(色、温度、毛細血管再充満、ドプラ)を病棟・ICUへ確実に申し送る。

  4. 気管切開を併施した場合、カニューレのサイズ・固定方法・計画外抜去時の対応を申し送る。

  5. 出血量、輸液・輸血、尿量、体温、抗菌薬の追加投与を長時間にわたり管理する。記録の抜けに注意する。

  6. 術後は経口摂取ができず、コミュニケーションも制限される。患者の意思疎通の手段(筆談、文字盤)を準備するよう申し送る。

緊急時の対応

  1. 皮弁の血流障害(色調不良・ドプラ音の消失):直ちに報告。緊急再手術(血栓除去・再吻合)の準備を最優先で進める。

  2. 頸部の大血管(頸動脈・内頸静脈)損傷:大量出血になる。応援・輸血・血管修復物品を同時に手配する。

  3. 気管切開部の術野火災:酸素供給を止め、火元を除去し、生食で消火する。手順を事前に確認しておく。

  4. 術後の気道閉塞・カニューレ抜去:気管拡張鉗子と予備カニューレをベッドサイドに常備するよう申し送る。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。