膿胸に対する胸腔鏡下郭清術
膿胸手術
胸腔内に膿が溜まった膿胸に対して、胸腔鏡で膿と線維性の膜(フィブリン被膜)を取り除き、肺を再膨張させる手術。所要時間は2〜4時間程度。感染した術野を扱うため、汚染管理と大量の洗浄が必要になる。
ここは要注意
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- 汚染器械と清潔器械を混ぜない。線引きが崩れると感染がさらに広がる。
- 洗浄液が冷たいと低体温になる。加温を必ず確認する。
- 培養検体の種類(抗酸菌を含む)を確認する。結核性膿胸の可能性もある。
- 感染性の飛沫・膿が飛ぶ。防護具の着用を省略しない。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
側臥位(患側が上)。腋窩枕、下側下肢の腓骨頭の除圧、上側上肢の支持を確実に行う。
麻酔
全身麻酔+分離肺換気。感染と炎症で全身状態が悪い患者が多く、循環動態に注意する。
皮膚消毒
患側の頸部下〜腸骨稜、前後は正中を越えて広く。すでに胸腔ドレーンが入っていることが多い。
必要物品・器械
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基本セット
- 開胸基本セット(開胸移行に備えて待機)
- 肋間開創器、長鑷子・長剪刀・リング鉗子
特殊器械
- 胸腔鏡・カメラヘッド・光源ケーブル
- 吸引洗浄装置(大量の洗浄に対応できるもの)
- 剥離用の鉗子・スポンジ鉗子
- エネルギーデバイス
ディスポーザブル製品
- 洗浄用温生食(非常に大量に。数リットル〜十数リットル)
- 培養検体用のスピッツ(好気・嫌気・抗酸菌)
- 胸腔ドレーン(複数本、太めのもの)と持続吸引システム
- 汚染物用の廃棄容器、標準予防策の防護具(ガウン・フェイスシールド)
器械出し看護師のポイント
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- 汚染手術。汚染した器械を清潔な器械と混ぜない。トレイを分けて管理する。
- 洗浄量が非常に多い。温生食を切らさないよう先回りして補充する。
- 培養検体は好気・嫌気・抗酸菌など複数種類を採取する。容器を用意し、採取部位を確認して提出する。
- 剥離操作で肺を損傷しやすい。肺を扱う鉗子は鈍的なものを選ぶ。
- ドレーンは複数本入れることが多い。本数と留置部位を術者と確認する。
- 膿や検体の飛散に備え、フェイスシールドなどの防護具を着用する。
外回り看護師のポイント
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- 全身状態が悪い患者が多い。敗血症を伴っていることもあり、循環動態と体温を注意深く観察する。
- 洗浄量が多く体温が下がる。加温した生食を使用し、加温装置を最大限使う。
- 培養検体の提出漏れがないか確認する。抗菌薬の選択に直結する。
- 汚染手術のため、器械・リネン・廃棄物の取り扱いを施設のルールに従って厳格に行う。
- ドレーンの本数・留置部位・吸引圧を病棟へ正確に申し送る。
- 予測される合併症:肺瘻(エアリーク遷延)、出血、感染の遷延、呼吸不全。
緊急時の対応
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- 剥離中の肺損傷による大量エアリーク:換気が維持できなくなる。麻酔科へ即報告し、開胸移行に備える。
- 剥離面からの大量出血:吸引と止血材を追加し、開胸セットを開けられる状態にする。
- 敗血症性ショック(血圧低下・頻脈・尿量減少):輸液・昇圧薬・血液培養・抗菌薬を準備する。
- 低体温が進行したら、加温を最大にし、加温輸液の追加を手配する。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。