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呼吸器外科縦隔・胸膜

縦隔腫瘍

縦隔腫瘍摘出術

胸腺腫や神経原性腫瘍など、心臓や大血管に囲まれた縦隔にできた腫瘍を摘出する手術。胸腔鏡・ロボット支援・胸骨正中切開など、腫瘍の位置により方法が変わる。重症筋無力症を合併した胸腺腫では、術後の呼吸管理が特に重要。

ここは要注意!

  • 重症筋無力症の合併を見落とすと、術後の呼吸不全につながる。麻酔科と必ず情報を共有する。
  • 大血管に囲まれた手術。出血が始まると一気に危険になる。輸血と正中切開の準備を怠らない。
  • 横隔神経の損傷は術後の呼吸機能を大きく下げる。術者の慎重な操作を支える。
  • 術後の嗄声・嚥下障害(反回神経)と呼吸状態の観察を申し送る。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

アプローチにより仰臥位(正中切開)または側臥位・半側臥位(胸腔鏡)。体位固定と除圧を確実に行う。

麻酔

全身麻酔+分離肺換気。重症筋無力症を合併している場合、筋弛緩薬に極めて敏感で作用が遷延するため、麻酔科と必ず共有する。

皮膚消毒

アプローチに応じて前胸部または患側胸部を広く。正中切開に備えて広めに消毒する。

必要物品・器械

基本セット

  • 開胸基本セット(胸骨鋸を含む。正中切開移行に備える)
  • 長鑷子・長剪刀・持針器

特殊器械

  • 胸腔鏡・カメラヘッド・光源ケーブル
  • ベッセルシーリングシステム、エネルギーデバイス
  • 血管クリップ、自動縫合器
  • 神経モニタリング(横隔神経・反回神経の温存)
  • 大血管に近いため血管遮断鉗子と血管縫合糸

ディスポーザブル製品

  • 標本回収バッグ、創縁保護器
  • 止血材、フィブリン糊
  • 胸腔ドレーンと持続吸引システム
  • 血管縫合糸(大血管損傷に備える)、洗浄用温生食

器械出し看護師のポイント

  1. 心臓・大血管がすぐ近くにある。血管遮断鉗子と血管縫合糸を必ず手元に置いておく。

  2. 横隔神経を損傷すると術後に呼吸機能が低下する。術者が神経を追う場面では静かに、確実に器械を渡す。

  3. 腫瘍が大血管に浸潤していると術式が大きく変わる。正中切開への移行に備え、胸骨鋸の場所を把握する。

  4. 摘出標本は病理診断が治療方針を決める。方向と部位を確認して提出する。

  5. エアリークテストと胸腔ドレーンの留置が最後の工程。温生食とドレーンを準備する。

  6. 重症筋無力症の合併例では、術後の抜管が慎重になる。手術終了後の流れを把握しておく。

外回り看護師のポイント

  1. 重症筋無力症の合併の有無を必ず確認する。筋弛緩薬への感受性が高く、術後に呼吸不全(クリーゼ)を起こしうる。

  2. 術後に抜管できず人工呼吸管理になる可能性がある。ICUの受け入れ体制を確認しておく。

  3. 内服中の抗コリンエステラーゼ薬やステロイドの服用状況を麻酔科と共有する。

  4. 大血管損傷に備え、輸血の準備状況を入室前に確認する。

  5. 分離肺換気を行う場合、体位変換後のチューブ位置確認を妨げない。

  6. 予測される合併症:大血管損傷による出血、横隔神経・反回神経麻痺、筋無力症クリーゼ、乳び胸。

緊急時の対応

  1. 大血管損傷による大量出血:直ちに正中切開への移行を準備。胸骨鋸、開胸セット、輸血を同時に手配する。

  2. 筋無力症クリーゼ(呼吸筋の脱力):抜管を延期し、人工呼吸管理の継続とICUへの搬送を手配する。

  3. 乳び胸(乳白色の排液)が判明したら、絶食や胸管結紮の可能性を申し送る。

  4. 術後の呼吸状態悪化に備え、再挿管物品と連絡経路を回復室・ICUへ申し送る。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。