デブリードマン+分層植皮術
植皮術
熱傷や難治性潰瘍に対して、壊死した組織を取り除き(デブリードマン)、健常な皮膚を薄く採取して移植する手術。所要時間は1〜3時間程度。採皮部と移植部の2か所を扱うため、清潔野の管理と体温管理が重要。
ここは要注意
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- 感染創と清潔野の器械を混ぜると移植そのものが失敗する。分ける手順を省略しない。
- 採取した皮膚を乾燥させると使えなくなる。受け取ったらすぐ湿らせる。
- デルマトームの替刃装着ミスは指の受傷にもつながる。手順を守る。
- 広範囲では低体温が凝固障害を招く。「まだ大丈夫」と思わず早めに加温する。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
創部と採皮部(大腿や殿部が多い)の両方が出せる体位。仰臥位・腹臥位・側臥位と症例で異なる。露出面が広いため保温に配慮する。
麻酔
全身麻酔または脊椎麻酔。広範囲熱傷では循環管理が重要になる。
皮膚消毒
創部と採皮部を分けて消毒する。感染創は最後に消毒し、器械も分ける。
必要物品・器械
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基本セット
- 形成外科基本セット(細い剥離剪刀、有鉤鑷子、モスキート、持針器)
特殊器械
- デルマトーム(電動皮膚採取器)と替刃、厚さ設定の確認
- メッシュグラフト作成機(メッシャー)とキャリア
- デブリードマン用のメス・キューレット・ハイドロサージェリー装置
- パルス洗浄器
ディスポーザブル製品
- デルマトーム用替刃、メッシュ用キャリア
- 採皮部用の被覆材(創傷被覆材)
- 移植片固定用の糸・ステープラー、タイオーバー用のガーゼと糸
- 洗浄用生食(大量に)、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)の材料
器械出し看護師のポイント
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- 感染創(デブリードマン側)と採皮部(清潔側)の器械を必ず分ける。混ぜると移植部の感染につながる。
- デブリードマンが終わったら、器械・手袋・ドレープを交換してから採皮・移植に移るのが原則。手順を術者と確認する。
- デルマトームは厚さの設定が重要。設定値を術者と復唱し、替刃を正しく装着する(装着ミスは採皮不能に直結)。
- 採取した皮膚は乾燥させない。生食で湿らせたガーゼに包み、裏表が分かるように置く。
- メッシュ加工では皮膚の裏表を間違えると生着しない。キャリアに乗せる向きを術者と確認する。
- タイオーバー固定では糸の本数が多くなる。整理して渡し、カウントを保つ。
外回り看護師のポイント
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- 露出面積が広く、洗浄も多いため低体温になりやすい。室温を上げ、加温装置と輸液加温を積極的に使用する。
- 広範囲熱傷では体液喪失が大きい。輸液量、尿量、循環動態を継続的に観察する。
- 感染創を扱うため、標準予防策と器械・ゴミの分別を徹底する。培養検体の提出も確認する。
- 採皮部は術後に強い痛みを伴う。鎮痛の準備と、被覆材の種類を病棟へ申し送る。
- 移植部の固定方法(タイオーバー、NPWT)と、体位・安静度の指示を正確に申し送る。
- デルマトームの設定・使用状況を記録し、機器の不具合があれば即座に対応する。
- 予測される合併症:移植片の生着不良、血腫・漿液腫による浮き上がり、感染、採皮部の瘢痕。
緊急時の対応
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- 広範囲熱傷での循環不全(血圧低下・尿量減少):輸液の追加、輸血、昇圧薬の準備を進め、麻酔科と密に連携する。
- デブリードマン中の大量出血:止血材・電気メス・駆血帯(四肢の場合)を追加し、出血量を再計算する。
- 低体温による凝固障害が疑われたら、加温を最大にし、加温輸液と血液製剤の準備を検討する。
- 採取した皮膚を紛失・汚染した場合は、再採皮が必要になる。速やかに術者へ報告し、追加の物品を手配する。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。