皮膚腫瘍切除術+局所皮弁形成
皮弁形成
皮膚の腫瘍を切除し、生じた欠損を周囲の皮膚を移動させて(皮弁)閉じる手術。顔面に行われることが多く、所要時間は1〜2時間程度。整容性が最重視され、繊細な器械と細い糸を扱う。
ここは要注意
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- 極細の針は紛失しやすい。1本ずつカウントし、術野から目を離さない。
- マーキングが消えると皮弁のデザインが崩れる。消毒やガーゼで擦らない。
- 局所麻酔では会話が全て聞こえる。腫瘍の性質や見た目に関する会話に配慮する。
- 皮弁の血流障害は術後に現れる。色調(蒼白・うっ血)の観察方法を申し送る。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位が基本。顔面の場合は頭部を安定させ、術野に応じて頭部を回旋させる。
麻酔
局所麻酔(+鎮静)または全身麻酔。局所麻酔では患者が覚醒している。
皮膚消毒
腫瘍の周囲を広めに消毒する。顔面では眼・耳・鼻に消毒液が入らないよう保護する。
必要物品・器械
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基本セット
- 形成外科基本セット(極細の剪刀、有鉤鑷子、モスキート、細い持針器)
特殊器械
- 皮膚マーキング用のペン(デザインが手術の成否を決める)
- 拡大鏡(ルーペ)
- バイポーラ(細い先端のもの)
- スキンフック(皮膚を傷つけずに保持する)
ディスポーザブル製品
- 極細の縫合糸(6-0、7-0など。真皮縫合用と表皮用で分ける)
- 局所麻酔薬(血管収縮薬入りのものを使うことが多い)
- 検体容器(切除断端の向きを示すマーキング付き)
- テープ固定材、創傷被覆材
器械出し看護師のポイント
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- 極細の糸(6-0、7-0)を多く使う。針が非常に小さいため、1本ずつ確実にカウントする。
- スキンフックや細い鑷子は皮膚を傷つけないための器械。太い鉗子で代用しない。
- デザイン(マーキング)は手術の設計図。消えないよう、清潔操作でマーキングを保護する。
- 切除標本は断端の向きが重要。糸でのマーキング方法を術者と確認して提出する。
- 顔面では出血が視野を妨げやすい。細いバイポーラと吸引をすぐ使えるようにする。
- 整容性が最重要。閉創時は術者が最も集中する場面なので、糸を絡ませず正確に渡す。
外回り看護師のポイント
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- 局所麻酔では患者が覚醒している。顔にドレープがかかる閉塞感への配慮と、こまめな声かけを行う。
- 血管収縮薬入りの局所麻酔薬を使用する。総投与量を把握し、局所麻酔薬中毒の初期症状を観察する。
- 顔面の手術は患者の不安が大きい。術後の見た目に関する説明は術者に委ね、看護師は安心できる声かけを担う。
- 検体の取り扱いと断端の向きを二人で確認する。悪性の場合は追加切除の判断に直結する。
- 術中迅速病理を行う場合は提出と結果待ちの段取りを組む。
- 術後の創部の安静、テープ固定の方法、洗顔の可否などを病棟・患者へ申し送る。
- 予測される合併症:皮弁の血流障害(うっ血・壊死)、血腫、感染、瘢痕。
緊急時の対応
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- 局所麻酔薬中毒(口周囲のしびれ、耳鳴り、痙攣):直ちに投与を中止し、脂肪乳剤と救急カートを準備する。
- 血管収縮薬による血圧上昇・頻脈が強い場合は術者と麻酔科に報告し、投与を調整する。
- 術中迅速で断端陽性が出たら、追加切除と皮弁デザインの変更に備えて器械と時間を確保する。
- 皮弁の血流障害が術中に判明したら、縫合の張力を緩める処置や別の再建法への変更に備える。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。