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眼科前眼部

トラベクレクトミー

線維柱帯切除術(緑内障手術)

薬で下がらない緑内障に対して、眼の中の水(房水)を外へ逃がす新しい通り道を作り、眼圧を下げる手術。所要時間は40分〜1時間程度。術後の眼圧管理と濾過胞(水が溜まる袋)の管理が長期にわたって重要になる。

ここは要注意!

  • 代謝拮抗薬は抗がん剤。曝露対策と廃棄ルールを守る。塗布時間の計測を間違えない。
  • 左右の取り違えは取り返しがつかない。確認手順を1つも飛ばさない。
  • 術後の濾過胞感染は失明につながる。感染徴候の観察方法を申し送る。
  • 覚醒下では会話がすべて聞こえる。予後に関わる話題を術野でしない。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位。頭部を安定させ、顔が水平になるよう調整する。

麻酔

テノン嚢下麻酔・球後麻酔などの局所麻酔が中心。患者は覚醒している。

皮膚消毒

眼周囲の皮膚と結膜嚢内をポビドンヨードで消毒する。睫毛をドレープで巻き込む。

必要物品・器械

基本セット

  • 緑内障手術セット(極小の眼科用器械)
  • 有鉤鑷子、極小の剪刀、持針器

特殊器械

  • 手術用顕微鏡(眼科用)
  • 強膜弁作成用のクレセントナイフ、線維柱帯切除用のパンチ
  • 虹彩切除用の剪刀
  • 代謝拮抗薬(マイトマイシンCなど)の塗布用スポンジ

ディスポーザブル製品

  • 極細の縫合糸(10-0ナイロンなど)
  • 代謝拮抗薬(濃度と作用時間を厳密に管理)
  • 灌流液(BSS)、粘弾性物質
  • 術後の眼帯・保護眼鏡

器械出し看護師のポイント

  1. 代謝拮抗薬(マイトマイシンC)は抗がん剤。濃度と塗布時間を術者と確認し、時間を計測して声で伝える。

  2. 代謝拮抗薬に触れた器械・スポンジは分けて管理し、規定の方法で廃棄する。曝露対策の手袋を使用する。

  3. 10-0の極細糸を扱う。針が非常に小さいため、1本ずつ確実にカウントする。

  4. 器械はすべて極小。先端同士を接触させず、専用ラックで管理する。

  5. 患者は覚醒している。器械音と会話を最小限にする。

  6. 強膜弁の縫合の締め具合が術後の眼圧を決める。術者が最も集中する場面を静かに支える。

外回り看護師のポイント

  1. 代謝拮抗薬は抗がん剤。調製・取り扱い・廃棄を施設の曝露対策ルールに従って厳格に行う。使用濃度と時間を記録する。

  2. 左右の眼の取り違えを防ぐため、カルテ・同意書・マーキング・患者本人への確認を全て照合する。

  3. 局所麻酔で覚醒している。処置の前に声をかけ、顔にドレープがかかる閉塞感に配慮する。

  4. 術後は眼圧の変動が大きく、頻回の診察が必要になる。安静度と点眼の指示を申し送る。

  5. 術後に眼を圧迫しない、うつむかないなどの指示が出る。内容を把握して伝える。

  6. 予測される合併症:低眼圧(脈絡膜剥離・低眼圧黄斑症)、濾過胞感染、出血、白内障の進行。

緊急時の対応

  1. 術中の駆逐性出血(眼圧の急上昇・術野の膨隆):極めて緊急。直ちに創閉鎖の物品を渡し、応援を呼ぶ。

  2. 患者の急な体動・咳:まず頭部を保持し、術者に器械を眼から離してもらう。

  3. 局所麻酔(球後麻酔)による球後出血:眼球突出と眼圧上昇が起きる。減圧処置の準備をする。

  4. 迷走神経反射(徐脈・血圧低下):直ちに報告し、アトロピンなどの準備を確認する。

眼科の他の術式

今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。