腸重積症手術
腸重積
腸が腸の中に入り込んでしまう腸重積に対して、高圧浣腸で戻らない場合や腸が壊死している場合に行う手術。乳幼児の緊急手術で、腸を用手的に戻す(整復する)か、壊死していれば切除する。時間との勝負になる。
ここは要注意
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- むくんだ腸管は簡単に破れる。器械の選択と扱いに細心の注意を払う。
- 麻酔導入時の誤嚥が最も危険。胃管からの吸引を確実に行ってから導入する。
- 乳幼児のショックは代償が効いているうちは分かりにくく、崩れると一気に進む。バイタルの推移を注視する。
- 腸重積は再発しうる。術後の観察点を保護者・病棟へ申し送る。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位。乳幼児のため加温マットの上に寝かせ、体温管理を最優先にする。
麻酔
全身麻酔。嘔吐を繰り返しフルストマック扱いになる。脱水と全身状態の悪化を伴うことが多い。
皮膚消毒
腹部全体を広く。乳幼児の皮膚は薄いため消毒液の刺激と溜まりに注意する。
必要物品・器械
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基本セット
- 小児用小手術セット
- 小さな鉤、腸鉗子(鈍的なもの)、細い持針器
特殊器械
- 腹腔鏡下で行う場合は乳幼児用の3〜5mm腹腔鏡一式
- 腸管切除を行う場合の小児用自動縫合器または手縫い用の細い糸
- 温生食(整復時に腸を温める)
- 拡大鏡(ルーペ)
ディスポーザブル製品
- 細い吸収糸(腸管吻合用)
- 洗浄用温生食、加温マット・乳幼児用加温ブランケット
- ドレーン(腸切除時)
- 胃管(術前・術中の胃内容吸引用)
器械出し看護師のポイント
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- 整復は「押し戻す」操作。引っ張ると腸が裂ける。術者が慎重に進める理由を理解しておく。
- 腸管はむくんで脆くなっている。鈍的な腸鉗子だけを使い、強く挟まない。
- 整復できない場合や壊死がある場合は腸管切除に移行する。吻合用の器械と糸を待機させておく。
- 腸重積の先進部に腫瘍(メッケル憩室やポリープ)が隠れていることがある。摘出物の扱いを術者に確認する。
- 器械はすべて乳幼児用の極小サイズ。成人用と混ぜない。
- 緊急手術でもガーゼ・針のカウントは省略しない。
外回り看護師のポイント
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- 緊急受け入れ。脱水と電解質異常の程度、最終飲食時刻、症状の経過を短時間で把握し、麻酔科と共有する。
- 迅速導入の介助:胃管からの吸引をすぐ使える状態にし、誤嚥に備える。
- 乳幼児は低体温になるのが早い。入室前から室温を上げ、加温を準備する。
- 体重を正確に把握する。薬剤量・輸液量・輸血量すべてが体重で決まる。
- 保護者は強い不安を抱えている。手術の進行状況を伝える体制を整える。
- 予測される合併症:腸管穿孔、腸管壊死による広範囲切除、再発、創部感染。
緊急時の対応
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- 麻酔導入時の誤嚥:吸引をすぐ渡し、体位変換に備える。
- 腸管穿孔・広範囲汚染:洗浄用生食を大量に追加し、ドレーンと修復物品を手配する。
- 広範囲の腸管壊死が判明したら、切除範囲が大きくなる。人工肛門造設の物品も想定しておく。
- 乳幼児のショック:体重に応じた輸液量・輸血量を速やかに準備し、小児用蘇生物品を室内に用意する。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。