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小児外科鼠径部・体表

精巣固定術

停留精巣固定術

陰嚢内に降りてきていない精巣(停留精巣)を、鼠径部から引き下ろして陰嚢内に固定する手術。1〜2歳頃に行われることが多い。所要時間は1時間前後。将来の妊孕性と悪性化のリスクに関わる手術。

ここは要注意!

  • 左右の取り違えは絶対に避ける。マーキングと照合を省略しない。
  • 精索の損傷は将来の妊孕性に関わる。慎重な操作を支える意識を持つ。
  • 小児の低体温は進行が速い。保温を後回しにしない。
  • 術後の陰嚢の腫脹・変色は血腫のサイン。観察ポイントを申し送る。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位。小児のため加温を確実に行い、露出を最小限にする。

麻酔

全身麻酔(+仙骨硬膜外麻酔や陰部神経ブロックの併用)。

皮膚消毒

臍下〜大腿上部、陰嚢・陰茎を含む。皮膚が薄いため愛護的に行う。

必要物品・器械

基本セット

  • 小児用小手術セット
  • 小さな鉤、細い剥離子、モスキート、極細の持針器

特殊器械

  • 腹腔内精巣では腹腔鏡(3〜5mm)とトロッカー
  • 拡大鏡(ルーペ)
  • 精索を扱う細い鉗子
  • バイポーラ(極細)

ディスポーザブル製品

  • 細い吸収糸(精巣の固定用)
  • 皮膚接合材(抜糸を避ける)
  • 加温用器材
  • 局所麻酔薬(体重に応じた量)

器械出し看護師のポイント

  1. 精索(精管と精巣血管)を傷つけると精巣が萎縮する。術者が精索を扱う場面では静かに、確実に器械を渡す。

  2. 精索を十分な長さに剥離するのが手術の要。細い剥離器械を切らさない。

  3. 精巣を陰嚢内に固定する糸は細い吸収糸。絡ませずに渡す。

  4. 両側の場合は左右の記録と器械を明確に分ける。

  5. 腹腔内精巣では腹腔鏡に切り替わることがある。準備を確認しておく。

  6. 小さな器械と針のカウントを確実に行う。

外回り看護師のポイント

  1. 左右のどちらか(または両側か)を、カルテ・同意書・マーキングで必ず照合する。

  2. 小児の体温管理を最優先にする。加温マットと室温調整を確実に行う。

  3. 体重を正確に把握し、薬剤量と輸液量を確認する。

  4. 陰部の手術のため、保護者の不安が大きい。術後説明の場を整えることも看護の役割。

  5. 術後は激しい運動や自転車を控える指示が出る。内容を把握して申し送る。

  6. 予測される合併症:精巣の萎縮、再上昇、精管損傷、血腫。

緊急時の対応

  1. 精巣血管の損傷が疑われたら、直ちに報告し、マイクロ器械と極細糸の準備を確認する。

  2. 腹腔内精巣で腹腔鏡へ移行する場合は、小児用の気腹設定と器械を速やかに手配する。

  3. 小児の急変では体重に応じた薬剤量が必要。小児用蘇生物品を室内に用意しておく。

  4. 喉頭痙攣(小児麻酔で起こりやすい):酸素と吸引を直ちに渡す。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。