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小児外科消化管

ラムステッド手術

肥厚性幽門狭窄症 幽門筋切開術

生後2〜3か月の赤ちゃんが噴水状に嘔吐する肥厚性幽門狭窄症に対して、厚くなった胃の出口の筋肉を切開して通りを良くする手術。所要時間は30分〜1時間程度。手術前の脱水と電解質異常の補正が終わっていることが前提の手術。

ここは要注意!

  • 脱水・アルカローシスの補正前に手術を行うと麻酔で危険な状態になる。データを必ず確認する。
  • 乳児の低体温は急速に進む。保温を最優先の看護として扱う。
  • 粘膜損傷は術後の重篤な合併症になる。空気テストの結果を全員で共有する。
  • 薬剤量は体重依存。成人・年長児の感覚で判断しない。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位。乳児のため加温マットの上に寝かせ、体温管理を最優先にする。

麻酔

全身麻酔。嘔吐を繰り返しているためフルストマック扱いとなり、胃内容の吸引と迅速導入を行う。

皮膚消毒

上腹部を中心に。皮膚が非常に薄いため、消毒液の刺激と溜まりに注意する。

必要物品・器械

基本セット

  • 乳児用の小手術セット(極小の器械一式)
  • 小さな鉤、細い剥離子、極細の持針器

特殊器械

  • 幽門筋切開用の専用ナイフまたはメス、筋層を広げる鉗子(ベンソン鉗子)
  • 腹腔鏡下で行う場合は乳児用の3mm腹腔鏡とトロッカー
  • 拡大鏡(ルーペ)

ディスポーザブル製品

  • 極細の縫合糸
  • 胃管(術前・術中の胃内容吸引用)
  • 加温マット、温風式加温装置の乳児用ブランケット
  • 空気を注入して漏れを確認するための注射器

器械出し看護師のポイント

  1. 器械はすべて乳児用の極小サイズ。成人用や小児用と混ぜない。

  2. 筋層だけを切り、粘膜は破らないのがこの手術のすべて。術者が最も集中する場面を静かに支える。

  3. 粘膜が破れていないか、胃管から空気を入れて確認する。注射器と胃管の接続をすぐ渡せるようにする。

  4. 粘膜損傷が判明した場合の修復用に、極細の糸をすぐ出せる位置に置く。

  5. 術野が非常に小さい。器械を出しすぎず、必要なものだけを台に置く。

  6. 短時間でも針・ガーゼのカウントは確実に行う。

外回り看護師のポイント

  1. 術前の脱水と低クロール性代謝性アルカローシスが補正されているか確認する。補正前の手術は麻酔のリスクが高い。

  2. 電解質(Na、K、Cl)とpHの最新の値を把握し、麻酔科と共有する。

  3. 乳児は極めて低体温になりやすい。入室前から室温を上げ、加温マットを準備し、露出時間を最小限にする。

  4. 体重を正確に把握する。すべての薬剤量と輸液量が体重で決まる。

  5. 術後は早期に授乳を再開することが多い。開始時期と量の指示を病棟へ申し送る。

  6. 予測される合併症:粘膜損傷(穿孔)、切開不足による症状の残存、創部感染、低体温。

緊急時の対応

  1. 粘膜損傷(穿孔)が判明したら、修復用の極細糸と大網被覆の準備をし、術後の絶食・胃管管理を申し送る。

  2. 麻酔導入時の誤嚥:胃管からの吸引をすぐ渡し、体位変換に備える。

  3. 乳児の低体温・徐脈:加温を最大にし、体重に応じた薬剤を準備する。

  4. 乳児の急変は進行が非常に速い。乳児用の蘇生物品と体重に応じた薬用量表を室内に用意しておく。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。