内シャント造設術
AVF
透析導入に備えて、前腕の動脈と静脈を吻合し、太い血流のある静脈(内シャント)を作る手術。局所麻酔で1〜2時間程度。ルーペや顕微鏡下の細かい血管吻合で、術後にスリル(血流の振動)が触れることが成功の証。
ここは要注意
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- 造設した腕での血圧測定・駆血はシャント閉塞につながる。全員が知っている必要がある。
- 腎不全患者は高カリウム血症による不整脈のリスクがある。心電図から目を離さない。
- スリルの消失は再手術のサイン。術直後の確認と記録を省略しない。
- 局所麻酔薬の総量を把握する。腎不全では蓄積しやすい。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+患側上肢を手台に外転・回外位で固定(外転は90度以内)。
麻酔
局所麻酔。患者は覚醒しており、会話がすべて聞こえている。腎不全患者のため薬剤の選択と量に注意する。
皮膚消毒
患側の前腕〜上腕。
必要物品・器械
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基本セット
- 血管外科小手術セット(モスキート、細い剪刀、スキンフック)
特殊器械
- マイクロ持針器・マイクロ鑷子、ブルドッグ鉗子(小)
- ルーペまたは手術用顕微鏡
- ドプラ血流計(吻合後のスリル・血流確認用)
- 血管拡張用のヘパリン加生食と細いカニューレ
ディスポーザブル製品
- 血管縫合糸(7-0前後のモノフィラメント)
- 局所麻酔薬
- ヘパリン加生食、洗浄用生食
器械出し看護師のポイント
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- 7-0級の極小針を使う。1本ずつ確実にカウントし、紛失を出さない。
- ブルドッグ鉗子の使用個数を把握する。小さく、術野に紛れやすい。
- 血管内腔を洗うヘパリン加生食のシリンジを常に準備しておく。
- 吻合中は術者が最も集中する時間。器械音と会話を最小限にする。
- 吻合後のドプラでのスリル確認まで器械を片付けない。再吻合がありうる。
- 覚醒患者に器械音が聞こえている。静かに受け渡す。
外回り看護師のポイント
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- 透析予定患者の最終透析日・カリウム値・体液量を把握し、麻酔科(管理医)と共有する。
- 造設した腕は今後、血圧測定・採血・点滴が禁止になる。ベッドサイド表示と申し送りを徹底する。
- 覚醒下手術。処置ごとの声かけと、長時間同一体位の苦痛への配慮を行う。
- 術直後のスリルの有無を記録し、病棟での確認方法(触知)を申し送る。
- 心不全兆候(シャント形成による心負荷)の観察を申し送る。
緊急時の対応
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- 吻合部のスリル消失:直ちに術者へ報告。血栓除去と再吻合の準備をする。
- 高カリウム血症による不整脈:カルシウム製剤等の準備と、緊急透析の連絡経路を確認する。
- 局所麻酔薬中毒(口周囲のしびれ、耳鳴り):投与を中止し、脂肪乳剤と救急カートを準備する。
- 術後の出血・血腫による皮膚の緊満:再開創の準備をする。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。