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心臓血管外科末梢血管・デバイス

下肢バイパス

下肢動脈バイパス術

下肢閉塞性動脈硬化症で足への血流が途絶えた状態に対して、自家静脈や人工血管で血流の迂回路を作る手術。所要時間は3〜6時間程度。糖尿病・透析患者が多く、全身管理と創部管理が難しい。

ここは要注意!

  • 透析患者のシャント肢での血圧測定・点滴は禁忌。ベッドサイド表示と申し送りを確実に。
  • 採取した自家静脈を乾燥させたり器械で挟んだりすると使えなくなる。取り扱いを最優先で丁寧に。
  • 術後の足の血流観察を怠るとグラフト閉塞に気づけない。観察方法を具体的に申し送る。
  • 感染創を扱う場合は器械の線引きを崩さない。人工血管の感染は致命的

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位+患側下肢を軽度外旋。自家静脈(大伏在静脈)を採取するため下肢全周を出す。長時間のため除圧を確実に。

麻酔

全身麻酔または脊椎麻酔・硬膜外麻酔。透析患者ではシャント肢の保護を確認する。

皮膚消毒

患側の下腹部〜足趾まで全周。対側から静脈を採取する場合は両下肢を消毒する。

必要物品・器械

基本セット

  • 血管外科基本セット
  • 細い剥離剪刀、モスキート鉗子多数
  • マイクロ持針器・血管鑷子

特殊器械

  • 血管遮断鉗子(各種サイズ)、ブルドッグ鉗子
  • 人工血管(サイズを術者と確認)または自家静脈採取用の器械
  • フォガティカテーテル(血栓除去用)
  • 術中血管造影またはドプラ血流計
  • 拡大鏡(ルーペ)

ディスポーザブル製品

  • 人工血管(ロット記録が必要)
  • 血管縫合糸(5-0〜7-0のモノフィラメント)
  • ヘパリン加生食、ヘパリンとプロタミン
  • 止血材、ドレーン、造影剤

器械出し看護師のポイント

  1. 血管吻合が複数か所ある。極細の糸を使うため、針を1本ずつカウントする。

  2. 採取した自家静脈は乾燥・損傷させない。ヘパリン加生食に浸して保護し、向き(弁の向き)を術者と確認する。

  3. 遮断鉗子は複数サイズ用意し、術者が求めたら即座に渡す。遮断時間を計測して伝える。

  4. 人工血管はサイズ確定後に開封する。ロット番号は外回りへ渡す。

  5. フォガティカテーテルはサイズが複数ある。すぐ出せるよう並べておく。

  6. ヘパリンとプロタミンの取り違え致命的薬剤名を必ず復唱する。

外回り看護師のポイント

  1. 糖尿病・透析患者が多い。血糖管理、透析スケジュール、シャント肢の保護(血圧測定・点滴を避ける)を確認する。

  2. 術前の足の状態(潰瘍・壊死・感染)を記録する。感染創がある場合は器械と操作を分ける。

  3. 遮断・解除のタイミングを術者から聞き、麻酔科と共有する。血圧が変動する。

  4. 術後は足背動脈の触知、足趾の色・温度の観察が最重要。方法と頻度を病棟へ申し送る。

  5. 人工血管の製品名・サイズ・ロット番号を確実に記録する。

  6. 予測される合併症:グラフト閉塞、創部感染、出血、下肢切断への移行、腎機能悪化。

緊急時の対応

  1. 吻合部からの大量出血:遮断鉗子と血管縫合糸を追加し、輸血を手配する。

  2. 遮断解除後に足の血流が戻らない場合は、フォガティカテーテルによる血栓除去の準備をする。

  3. 透析患者の高カリウム血症・心不全を疑う所見:直ちに麻酔科へ報告し、緊急透析の連絡経路を確認する。

  4. 術後のグラフト閉塞(急な疼痛・冷感・蒼白)は緊急再手術になる。連絡経路を申し送る。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。