心臓血管外科の手術看護
心臓血管外科で行われる手術9件について、体位・麻酔・必要器械・器械出しのポイント・外回りのポイント・要注意ポイント・緊急時の対応を、 医師向けの手技解説ではなく看護師の視点だけでまとめています。
心臓(弁・冠動脈)4術式
- 冠動脈バイパス術CABG狭くなった冠動脈の先に、別の血管(内胸動脈、大伏在静脈など)をつないで血流を回復させる手術。人工心肺を使う方法と、心臓を動かしたまま行う方法(オフポンプ)がある。所要時間は4〜6時間。オペ室で最も準備物品が多い手術のひとつ。
- 大動脈弁置換術AVR大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症に対して、人工心肺を使って心臓を止め、傷んだ弁を人工弁に取り替える手術。所要時間は4〜6時間程度。人工弁の種類(機械弁・生体弁)とサイズの管理、そして人工心肺からの離脱が要点。
- 僧帽弁形成術MVP僧帽弁閉鎖不全症に対して、弁を取り替えるのではなく修復して機能を回復させる手術。人工心肺を使用し、所要時間は4〜6時間程度。形成の成否を術中の経食道心エコーで確認しながら進めるのが特徴。
- 経カテーテル大動脈弁植込み術TAVI / TAVR重症の大動脈弁狭窄症に対して、胸を開けずにカテーテルで人工弁を運び、傷んだ弁の位置に留置する治療。高齢や合併症で開心術が難しい患者が対象。ハイブリッド手術室で行い、循環器内科・心臓外科・麻酔科・臨床工学技士のチーム医療が前提になる。
大血管1術式
末梢血管・デバイス4術式
- 下肢静脈瘤 血管内焼灼術EVLA / RFA逆流している伏在静脈にカテーテルを入れ、レーザーまたは高周波で内側から焼いて閉塞させる手術。日帰り手術が多く、所要時間は30分〜1時間程度。局所麻酔(TLA麻酔)とエコーガイド下の操作が特徴。
- ペースメーカー植込み術PMI徐脈性不整脈(洞不全症候群、房室ブロック)に対して、鎖骨下の皮下にペースメーカー本体を植え込み、静脈から心臓へリードを入れる手術。所要時間は1〜2時間程度。局所麻酔で行われ、透視と感染対策がポイント。
- 下肢動脈バイパス術下肢バイパス下肢閉塞性動脈硬化症で足への血流が途絶えた状態に対して、自家静脈や人工血管で血流の迂回路を作る手術。所要時間は3〜6時間程度。糖尿病・透析患者が多く、全身管理と創部管理が難しい。
- 内シャント造設術AVF透析導入に備えて、前腕の動脈と静脈を吻合し、太い血流のある静脈(内シャント)を作る手術。局所麻酔で1〜2時間程度。ルーペや顕微鏡下の細かい血管吻合で、術後にスリル(血流の振動)が触れることが成功の証。