診療科をえらびなおす
外科の手術看護
13 術式
外科で行われる手術13件について、
体位・麻酔・必要器械・器械出しのポイント・外回りのポイント・要注意ポイント・緊急時の対応
を、医師向けの手技解説ではなく看護師の視点だけでまとめています。
肝胆膵・脾
4 術式
腹腔鏡下胆嚢摘出術
Lap-C
胆石症・胆嚢炎に対して、お腹に4か所前後の小さな穴(ポート)を開け、CO2で気腹して視野を作り、胆嚢を摘出する手術。所要時間は1〜2時間程度。癒着や炎症が強い場合は開腹手術に移行することがあるため、開腹セットを常に室内に待機させておく。
腹腔鏡下脾臓摘出術
Lap 脾摘
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)や脾腫などに対して、腹腔鏡下に脾臓を摘出する手術。所要時間は2〜3時間程度。脾臓は血流が非常に豊富で出血リスクが高く、血小板が少ない患者も多いため、出血対策が最重要。
肝部分切除術
肝切除
肝細胞癌や転移性肝癌に対して、腫瘍を含む肝臓の一部を切除する手術。所要時間は3〜6時間程度。肝臓は血流が非常に豊富で、肝離断時の出血コントロールが最大の課題。術中エコーで腫瘍の位置を確認しながら進める。
膵頭十二指腸切除術
PD
膵頭部癌や胆管癌などに対して、膵頭部・十二指腸・胆管・胆嚢をまとめて切除し、膵臓・胆管・消化管の3か所を再建する手術。所要時間は6〜10時間と消化器外科で最も長い手術のひとつ。出血と再建の難しさから、看護師の段取りと持久力が問われる。
下部消化管・肛門
5 術式
腹腔鏡下虫垂切除術
Lap-Appe
急性虫垂炎に対して、3ポート程度で虫垂を切除する手術。緊急手術として夜間・休日に入ることが多く、準備の速さが求められる。穿孔して腹膜炎を起こしている場合は、大量の洗浄とドレナージが追加される。
腹腔鏡下結腸右半切除術
Lap 右結腸切除
上行結腸・盲腸の大腸癌に対して、腹腔鏡下に結腸の右半分とリンパ節を切除し、回腸と横行結腸をつなぐ手術。所要時間は3〜4時間程度と長く、リンパ節郭清と血管処理が山場になる。標本の取り扱いと吻合器の準備が看護師側のポイント。
腹腔鏡下直腸低位前方切除術
Lap LAR
直腸癌に対して、腹腔鏡下に直腸とリンパ節を切除し、残った腸と肛門側をつなぐ手術。所要時間は4〜6時間と長い。骨盤という狭く深い場所での操作で、自律神経の温存と吻合、そして一時的人工肛門の造設が要点。
痔核根治術
痔核手術
内痔核・外痔核に対して、痔核を切除して結紮する手術(結紮切除術/LE法)。所要時間は30分〜1時間程度。短時間だが、術後の疼痛と出血が強く、患者の羞恥心への配慮が欠かせない。
癒着性イレウス手術(癒着剥離術)
イレウス手術
過去の手術による癒着で腸が詰まった状態(癒着性イレウス)に対して、癒着を剥がして腸の通りを回復させる手術。壊死した腸があれば切除する。緊急手術になることが多く、腸管が拡張していて損傷しやすいのが難点。
腹壁・ヘルニア
2 術式
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術
TAPP
鼠径ヘルニアに対して、腹腔内から腹膜を切開してヘルニア門をメッシュで補強する手術。日帰り〜短期入院で行われることが多く、1〜1.5時間程度。両側同時に行えるのが特徴で、メッシュとタッカー(固定具)の準備が中心になる。
腹壁瘢痕ヘルニア修復術
瘢痕ヘルニア
過去の手術の傷が弱くなって腸が飛び出す腹壁瘢痕ヘルニアに対して、癒着を剥がしてメッシュで腹壁を補強する手術。所要時間は2〜4時間程度。前回手術の癒着剥離に時間がかかり、腸管損傷のリスクが高い。
上部消化管
2 術式
腹腔鏡下幽門側胃切除術
LDG
胃癌に対して、胃の幽門側(出口側)約2/3とリンパ節を切除し、残った胃と十二指腸または空腸をつなぐ手術。所要時間は4〜5時間程度。リンパ節郭清、血管処理、再建(吻合)と工程が多く、器械の種類も多い。
腹腔鏡下胃全摘術
LTG
胃の上部に及ぶ胃癌に対して、胃をすべて切除し、食道と空腸をつなぐ手術。所要時間は4〜6時間程度。食道空腸吻合が最大の難所で、幽門側胃切除より再建の難易度が高い。
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