耳鼻咽喉科の手術看護
耳鼻咽喉科で行われる手術9件について、体位・麻酔・必要器械・器械出しのポイント・外回りのポイント・要注意ポイント・緊急時の対応を、 医師向けの手技解説ではなく看護師の視点だけでまとめています。
咽頭・喉頭・気道4術式
- 口蓋扁桃摘出術扁摘反復性扁桃炎や睡眠時無呼吸などに対して、口の中から口蓋扁桃を摘出する手術。小児にも成人にも行われる。所要時間は30分〜1時間程度。気道と同じ場所を扱うため、気道管理と術後出血への備えが最重要。
- 気管切開術気切長期の人工呼吸管理や上気道閉塞に対して、頸部から気管に穴を開けてカニューレを留置する手術。所要時間は30分〜1時間程度。気道そのものを扱うため、術中の気道確保が途切れる瞬間があり、オペ室で最も緊張する場面のひとつ。
- 喉頭微細手術ラリンゴマイクロ声帯ポリープや声帯結節、喉頭腫瘍に対して、口から硬い喉頭鏡(直達鏡)を入れ、顕微鏡下に声帯の病変を切除する手術。所要時間は30分〜1時間程度。気道を術者と麻酔科が共有する、特殊な状況の手術。
- 喉頭全摘術喉摘進行した喉頭癌に対して、喉頭をすべて摘出し、気管を首の前に縫い付けて永久気管孔を作る手術。所要時間は4〜8時間(頸部郭清や再建を伴うとさらに長い)。声を失うという大きな喪失を伴い、術後のコミュニケーション支援まで看護の役割が続く。
鼻・副鼻腔1術式
頭頸部1術式
耳3術式
- 鼓室形成術鼓室形成慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対して、鼓膜や耳小骨を再建して聴力の改善を図る手術。所要時間は2〜4時間程度。顕微鏡または内視鏡下のミリ単位の手術で、顔面神経のすぐ近くを扱う繊細な術式。
- 人工内耳埋込術人工内耳高度難聴に対して、耳の後ろの骨に受信装置を埋め込み、電極を蝸牛(内耳)に挿入して聴覚を回復させる手術。所要時間は2〜3時間程度。小児にも行われる。顔面神経のすぐ近くを削るため、モニタリングが必須。
- 鼓膜換気チューブ留置術チュービング滲出性中耳炎で中耳に液体が溜まり聞こえが悪くなった小児に、鼓膜を小さく切開して換気チューブを留置する手術。全身麻酔で10〜20分と短く、両耳同時に行うことが多い。顕微鏡下のミリ単位の操作と、小児対応が看護のポイント。