鼓膜換気チューブ留置術
チュービング
滲出性中耳炎で中耳に液体が溜まり聞こえが悪くなった小児に、鼓膜を小さく切開して換気チューブを留置する手術。全身麻酔で10〜20分と短く、両耳同時に行うことが多い。顕微鏡下のミリ単位の操作と、小児対応が看護のポイント。
ここは要注意
4
- 左右の取り違えに注意。両耳でも片耳でも、カルテと照合する。
- チューブの紛失は手術を止める。予備の在庫を確認しておく。
- 覚醒時興奮での転落・自己抜去に備える。
- 短時間手術でも麻酔のリスクは変わらない。気道確保の物品は通常どおり準備する。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+頭部を健側に回旋。短時間手術でも小児の固定と保温を確実に。
麻酔
小児は全身麻酔(マスクまたは声門上器具の短時間麻酔)。成人は局所麻酔で外来処置も可能。
皮膚消毒
耳周囲のみ。外耳道内は消毒しないことが多い。
必要物品・器械
8
基本セット
- 耳科処置セット(耳鏡、極小の耳科器械)
特殊器械
- 手術用顕微鏡
- 鼓膜切開刀(ミリンゴトミーナイフ)
- 換気チューブ(種類・サイズを術者と確認)と挿入用の極小鉗子
- 極細の吸引管(各径)
ディスポーザブル製品
- 吸引チップ
- 貯留液培養用のスピッツ(指示時)
- 点耳薬
器械出し看護師のポイント
5
- チューブは極小で、落とすとまず見つからない。開封と受け渡しの方法を決めておく。
- 左右両耳を行う場合は、左右の器械と記録を明確に分ける。
- 貯留液の吸引 → 切開 → チューブ挿入の短い流れ。次の器械を常に構えておく。
- 培養検体の指示があれば、吸引した貯留液を確実に確保する。
- 短時間手術でもカウントは省略しない。
外回り看護師のポイント
5
- 小児の入室不安への対応(プレパレーション、保護者付き添いの施設ルール)を確認する。
- 短時間麻酔は覚醒時の興奮(emergence agitation)が起こりやすい。覚醒時の転落防止体制を整える。
- 左右どちらに何を留置したかを正確に記録する。
- 体温管理:小児は短時間でも冷える。
- 術後の耳漏や、チューブは自然脱落することが多いことなど、保護者への説明内容を把握しておく。
緊急時の対応
4
- 小児の喉頭痙攣:直ちに酸素と吸引を渡し、麻酔科の指示に即応する。
- 覚醒時興奮:転落防止を最優先にし、保護者の付き添いなど施設ルールに従う。
- 外耳道からの出血が続く場合は顕微鏡下の確認に戻る。器械を片付けきらない。
- 小児の急変に備え、体重に応じた薬剤量と小児用蘇生物品を確認しておく。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。