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耳鼻咽喉科鼻・副鼻腔

ESS

内視鏡下副鼻腔手術

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などに対して、鼻から内視鏡を入れて副鼻腔の病変を除去し、換気路を作る手術。所要時間は1〜2時間程度。眼窩と頭蓋底のすぐ隣を操作するため、合併症が重大になりうる繊細な手術。

ここは要注意!

  • 鼻腔ガーゼの遺残は感染や毒素性ショックの原因になる。糸付き・全数カウントを徹底する。
  • 眼の腫れ・突出は眼窩内出血のサイン。気づいたら即報告(放置すると失明する)。
  • 血管収縮薬の使用量が多いと循環に影響する。使用枚数から量を把握しておく。
  • 髄液漏(透明な液の流出)を疑う所見は必ず術者へ伝える。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位+やや頭高位(出血を減らすため)。頭部を安定させる枕を使用する。

麻酔

全身麻酔(経口挿管)。出血を抑えるため低血圧麻酔を行うことがある。

皮膚消毒

鼻腔内は消毒せず、鼻周囲と顔面をドレープで覆う。両眼が観察できるようにドレープをかけることが多い。

必要物品・器械

基本セット

  • 鼻内視鏡手術セット
  • 鼻鏡、剥離子、キュレット、鉗子各種

特殊器械

  • 硬性内視鏡(0度・30度・70度)とカメラ・光源
  • マイクロデブリッダー(シェーバー)
  • ナビゲーションシステム(頭蓋底や眼窩に近い症例で使用)
  • バイポーラ、吸引凝固管
  • 額帯灯またはヘッドライト

ディスポーザブル製品

  • 血管収縮薬を浸したガーゼ(ボスミンガーゼなど。使用枚数を厳密にカウント)
  • 止血材(吸収性の鼻腔用パッキング材)
  • 洗浄用生食、内視鏡の防曇剤
  • 鼻腔タンポン(術後留置用)

器械出し看護師のポイント

  1. 鼻腔に入れるガーゼは小さく、奥に入ると見えなくなる。糸付きにして枚数を厳密にカウントする。

  2. 内視鏡は血液や粘液ですぐ曇る。防曇剤と温生食、拭き取り用のスポンジをセットで手元に置く。

  3. 0度・30度・70度の内視鏡を場面で使い分ける。術者が求める角度をすぐ渡せるよう並べておく。

  4. 眼窩や頭蓋底に近い操作では術者が極度に慎重になる。器械の受け渡しを静かに、確実に。

  5. マイクロデブリッダーは詰まりやすい。吸引の効きを確認し、詰まったらすぐ対応する。

  6. 血管収縮薬入りのガーゼは薬剤を含む。使用枚数と薬剤名を記録し、体内遺残を絶対に出さない。

外回り看護師のポイント

  1. 眼窩損傷の早期発見のため、両眼が見える状態にドレープをかけることが多い。術中に眼の腫れ・突出・皮下出血がないか観察する。

  2. 血管収縮薬(アドレナリン含有)を使用するため、血圧上昇・頻脈・不整脈に注意する。使用量を把握する。

  3. 低血圧麻酔を行う場合は、血圧の目標値を麻酔科と共有する。

  4. 出血は咽頭へ流れて飲み込まれる。出血量の評価は吸引量とガーゼで丁寧に行う。

  5. ナビゲーション使用時は術前画像の登録に時間がかかる。段取りに組み込む。

  6. 抜管時に咽頭の血液で咳嗽・喉頭痙攣が起きうる。吸引をすぐ使える位置に。

  7. 予測される合併症:眼窩内出血・視力障害、髄液漏、大量出血、嗅覚障害。術後の視力・複視の観察を申し送る。

緊急時の対応

  1. 眼窩内出血(眼の腫脹・突出・眼圧上昇):直ちに術者へ報告。眼科コンサルトと減圧処置(外眼角切開など)の準備をする。

  2. 髄液漏が判明したら、修復用の脂肪・筋膜の採取器械、人工硬膜、フィブリン糊を手配する。

  3. 内頸動脈損傷は極めて重篤。大量のガーゼ圧迫、輸血、血管内治療(IVR)への搬送を同時に手配する。

  4. 抜管時の喉頭痙攣に備え、吸引と再挿管の物品、筋弛緩薬をすぐ使える状態にしておく。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。