人工内耳埋込術
人工内耳
高度難聴に対して、耳の後ろの骨に受信装置を埋め込み、電極を蝸牛(内耳)に挿入して聴覚を回復させる手術。所要時間は2〜3時間程度。小児にも行われる。顔面神経のすぐ近くを削るため、モニタリングが必須。
ここは要注意
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- インプラントの落下・破損は手術中止につながる。取り扱いを最優先で慎重に。
- 顔面神経麻痺は患者の生活を大きく変える。モニタリングの反応を絶対に見逃さない。
- 左右の取り違えは絶対に避ける。カルテ・同意書・マーキングを照合する。
- MRI制限のある機種がある。記録漏れは今後の検査に影響する。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+頭部を健側に回旋。頸部の過度な回旋に注意し、頭部を確実に固定する。
麻酔
全身麻酔(気管挿管)。顔面神経モニタリングのため筋弛緩薬の使用に制限がある。麻酔科と必ず共有する。
皮膚消毒
患側の耳周囲と側頭部(剃毛範囲を術者に確認)。消毒液が外耳道や眼に入らないよう保護する。
必要物品・器械
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基本セット
- 耳科手術セット(極小の耳科用器械)
- 耳用剥離子、細いキュレット、マイクロ鉗子
特殊器械
- 手術用顕微鏡(耳科用)
- 耳科用ドリルと各種バー、持続吸引灌流
- 顔面神経モニタリング装置
- 人工内耳インプラント(機種とサイドを確認)と専用挿入器具
- 術中の電極機能測定装置(聴覚専門職と連携)
ディスポーザブル製品
- 人工内耳インプラント(型番・シリアル番号の記録が必須)
- 止血材、骨パテ、洗浄用生食(ドリル冷却用)
- 顔面神経モニタリング用電極
- 縫合糸各種
器械出し看護師のポイント
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- 人工内耳は極めて高額で代替が効かない。落下・破損は手術を止める。素手で触らず器械で扱い、専用の置き場所を決める。
- 電極は非常に細くデリケート。曲げたり引っ張ったりすると使えなくなる。
- 顔面神経のすぐ近くを削る。ドリル使用中は術者から目を離さず、冷却灌流を絶やさない。
- 蝸牛への電極挿入は一度きりの繊細な操作。この場面では器械の音も会話も止める。
- 術中に電極の機能測定を行う。測定機器の接続のタイミングを事前に確認しておく。
- インプラントの型番・シリアル番号は開封時に外回りへ渡す。
外回り看護師のポイント
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- 人工内耳の型番・シリアル番号・埋込側(左右)を確実に記録する。患者手帳と生涯の管理につながる。
- 顔面神経モニタリングのため筋弛緩薬に制限がある。麻酔科と必ず共有する。
- 小児が多い。体温管理、体重に応じた薬剤量、保護者への配慮を確認する。
- 術中の電極機能測定には聴覚専門職(言語聴覚士など)が入る。入室と役割を段取りしておく。
- 術後はMRI撮影に制限がある機種がある。製品情報を確実に申し送る。
- 予測される合併症:顔面神経麻痺、髄液漏、めまい、創部感染、インプラントの露出・脱落。
緊急時の対応
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- 顔面神経モニタリングの反応が出たら、直ちに術者へ伝える。操作の中断につながる重要な情報。
- 髄液漏(蝸牛からの液体流出):止血材・筋膜・フィブリン糊による閉鎖の準備をする。
- インプラントの破損・落下が起きたら直ちに報告し、予備在庫の有無を確認する。
- 小児の急変では体重に応じた薬剤量が必要。小児用蘇生物品を室内に用意しておく。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。