整形外科の手術看護
整形外科で行われる手術14件について、体位・麻酔・必要器械・器械出しのポイント・外回りのポイント・要注意ポイント・緊急時の対応を、 医師向けの手技解説ではなく看護師の視点だけでまとめています。
人工関節4術式
- 人工股関節全置換術THA変形性股関節症や大腿骨頭壊死などに対して、傷んだ骨頭と臼蓋を人工関節(ステム・ボールヘッド・カップ・ライナー)に置き換える手術。所要時間は1.5〜2.5時間程度。出血量が多く、感染すると人工物の抜去に至るため、感染対策とインプラント管理が最重要。
- 人工膝関節全置換術TKA変形性膝関節症などに対して、大腿骨と脛骨の関節面を人工関節に置き換える手術。所要時間は1.5〜2時間程度。ターニケット(駆血帯)を使用することが多く、駆血時間の管理と骨切りガイドの取り扱いが看護師のポイント。
- 人工肩関節全置換術TSA / RSA変形性肩関節症や腱板断裂性関節症に対して、肩関節を人工関節に置き換える手術。腱板が壊れている場合は、上腕骨側と肩甲骨側を逆に組む反転型(リバース型・RSA)を用いる。所要時間は2〜3時間程度。
- 人工骨頭置換術BHA高齢者の大腿骨頸部骨折に対して、骨折した骨頭を取り除き人工骨頭に置き換える手術。臼蓋側を温存する点がTHAとの違い。長期臥床を避けるため受傷から早期に行われる準緊急手術で、所要時間は1〜1.5時間程度。患者は高齢で併存疾患が多く、全身管理が重要。
外傷・骨折4術式
- 大腿骨転子部骨折 髄内釘固定術ガンマネイル高齢者に多い大腿骨転子部骨折に対して、牽引手術台で骨折を整復し、透視を見ながら髄内釘(ネイル)とラグスクリューで固定する手術。皮切は小さいが、牽引台のセッティングと透視の扱いが要になる。患者は高齢で併存疾患を持つことが多く、全身管理が重要。
- 橈骨遠位端骨折 掌側プレート固定術橈骨遠位端 ORIF転倒して手をついたときに多い手首の骨折に対して、手のひら側から進入してプレートとスクリューで固定する手術。所要時間は1〜1.5時間程度。透視を使い、手台(ハンドテーブル)の上で行う小さな術野の手術。
- アキレス腱縫合術アキレス腱手術スポーツ中などに断裂したアキレス腱を縫い合わせる手術。所要時間は1時間前後。腹臥位で行い、腱の断端をしっかり合わせて縫合する。術後の固定と免荷(体重をかけない)の管理が重要。
- 足関節果部骨折 観血的整復固定術足関節 ORIF足首をひねって起きる果部骨折に対して、骨折部を整復してプレートやスクリューで固定する手術。所要時間は1〜2時間程度。腫脹が強いと手術を待つことがあり、皮膚の状態の観察が重要になる。
脊椎3術式
- 腰椎後方椎体間固定術PLIF / TLIF腰椎すべり症や腰部脊柱管狭窄症に対して、後方から神経の圧迫を取り除き、椎体間にケージを入れてスクリューで固定する手術。所要時間は3〜4時間程度。腹臥位での体位管理と、神経モニタリング、透視の扱いが看護師の要点になる。
- 頸椎椎弓形成術頸椎手術頸椎症性脊髄症や後縦靱帯骨化症に対して、後方から頸椎の椎弓を開いて脊髄の圧迫を取り除く手術。所要時間は2〜4時間程度。脊髄を扱うため、体位変換と神経モニタリングが極めて重要。
- 腰椎椎間板ヘルニア摘出術LOVE法 / MED腰椎椎間板ヘルニアに対して、後方の小切開から脱出した髄核を摘出し、神経根の圧迫を取り除く手術。顕微鏡下(LOVE法)または内視鏡下(MED)で行う。所要時間は1〜2時間程度。若年〜中年に多く、手術レベル(高さ)の確認が最重要。