手根管開放術
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手根管症候群(正中神経の圧迫でしびれる病気)に対して、手首の靱帯を切開して神経の圧迫を取り除く手術。所要時間は15〜30分程度と短く、局所麻酔・日帰りで行われることが多い。
ここは要注意
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- 「簡単な手術」と思われがちだが、正中神経を傷つければ手の機能を失う。緊張感を保つ。
- 覚醒下の患者の前で、症状や予後に関する不用意な会話をしない。
- ターニケットの駆血時間は覚醒下では苦痛が強い。開始時刻の記録と声かけを行う。
- 術後の強い疼痛や腫脹は血腫のサイン。観察ポイントを申し送る。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+患側上肢を手台に外転・回外位で固定。ターニケットを上腕に巻くことが多い。
麻酔
局所麻酔が基本。患者は覚醒しており、会話がすべて聞こえている。
皮膚消毒
患側の前腕〜手指。手掌と指の間を丁寧に消毒する。
必要物品・器械
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基本セット
- 手外科小手術セット(小さな剪刀、有鉤鑷子、モスキート、細い持針器)
特殊器械
- 小さな開創器(ウィートランダーなど)
- 神経剥離子
- 内視鏡下手根管開放術(ECTR)を行う場合は専用の内視鏡とナイフ
- ターニケットと加圧装置
- 拡大鏡(ルーペ)
ディスポーザブル製品
- 局所麻酔薬
- 皮膚縫合糸
- 包帯・シーネ材料
- 洗浄用生食
器械出し看護師のポイント
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- 術野が非常に小さい。器械は小さいものだけを選び、余計なものを台に出さない。
- 正中神経を傷つけないことがすべて。術者が神経を確認する場面では静かに待つ。
- 内視鏡下で行う場合は専用ナイフの刃の向きが重要。取り扱い手順を確認しておく。
- 局所麻酔なので器械音がそのまま患者に聞こえる。静かに受け渡す。
- 短時間でも器械とガーゼのカウントは行う。
- 術後の包帯・シーネを閉創前に準備しておく。
外回り看護師のポイント
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- 局所麻酔で患者が覚醒している。処置の前に声をかけ、痛みの有無を確認する。
- ターニケットを使用する場合、覚醒下では駆血の痛み(ターニケットペイン)が強い。時間管理と声かけを行う。
- 日帰り手術が多い。帰宅後の注意点(挙上、指の運動、濡らさない)を説明できるよう把握する。
- 術後のしびれの改善には時間がかかることを患者が理解しているか、不安の有無を確認する。
- 上肢の外転は90度以内。手台の高さを調整する。
- 予測される合併症:正中神経損傷、血腫、瘢痕痛、症状の残存。
緊急時の対応
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- 局所麻酔薬中毒(口周囲のしびれ、耳鳴り、めまい):投与を中止し、術者へ報告。脂肪乳剤と救急カートを確認する。
- 神経・血管損傷が疑われたら、マイクロ器械と修復用の細い糸を手配する。
- 血管迷走神経反射(気分不良・徐脈):覚醒下手術で起こりやすい。仰臥位のまま下肢挙上と輸液の準備をする。
- 術後の血腫による強い疼痛は緊急再手術になることがある。連絡経路を申し送る。
確認先・参考資料7
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 診療ガイドライン日本整形外科学会整形外科疾患の診療ガイドライン(人工関節・脊椎・骨折など)
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。