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整形外科外傷・骨折

ガンマネイル

大腿骨転子部骨折 髄内釘固定術

高齢者に多い大腿骨転子部骨折に対して、牽引手術台で骨折を整復し、透視を見ながら髄内釘(ネイル)とラグスクリューで固定する手術。皮切は小さいが、牽引台のセッティングと透視の扱いが要になる。患者は高齢で併存疾患を持つことが多く、全身管理が重要。

ここは要注意!

  • 会陰支柱の圧迫は覆うと見えなくなる。パッドの位置はドレーピング前に必ず確認する。
  • ラグスクリューの長さの取り違えが最も起きやすい。計測値の復唱を省略しない。
  • 抗凝固薬の休薬状況の確認漏れは出血に直結する。カルテだけでなく麻酔科とも共有する。
  • リーミング後の急なSpO2低下は脂肪塞栓のサイン。「体位のせいかな」で流さない。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位・牽引手術台を使用。患側下肢を牽引ブーツで固定し、健側は開脚または挙上して透視のスペースを確保する。会陰支柱による圧迫(陰部神経障害・皮膚障害)に特に注意。

麻酔

全身麻酔または脊椎麻酔。高齢者が多く、麻酔導入時の血圧低下や術中の循環変動に注意する。

皮膚消毒

患側の腸骨稜〜膝関節まで(大腿外側を中心に広めに)。牽引台の固定具や不潔野に触れない範囲でドレーピングする。

必要物品・器械

基本セット

  • 整形外科基本セット
  • 骨膜剥離子・ホーマン鉤・鋭匙
  • メス・剪刀・鑷子・持針器

特殊器械

  • 髄内釘システム一式(ネイル各長・各径、ラグスクリュー各長、遠位横止めスクリュー、エンドキャップ)
  • 専用ターゲティングデバイス(挿入ガイド)
  • ガイドワイヤー(複数本)、リーマー
  • 電動ドリル、ドリルビット、各種ドリルスリーブ、深度計
  • Cアーム(透視装置)と滅菌ドレープ

ディスポーザブル製品

  • Cアーム用滅菌ドレープ
  • ガイドワイヤー、洗浄用生食(ドリル時の冷却にも使用)
  • ドレーン(留置しないことも多い)
  • 鉛防護具・甲状腺プロテクター(術者・介助者の人数分)

器械出し看護師のポイント

  1. 工程が定型なので順番を覚えると先読みできる:刺入点作成 → ガイドワイヤー挿入 → リーミング → ネイル挿入 → ラグスクリュー → 遠位横止め → エンドキャップ。

  2. ガイドワイヤーは長く、清潔野から落ちやすい。曲がりや落下に注意し、抜去したワイヤーは必ず回収してカウントする。

  3. ドリルスリーブ・ドリル・深度計・スクリューは「セット」で動く。計測値を術者と復唱してから該当サイズのスクリューを渡す。

  4. 透視のたびに術野から手を引く必要がある。器械台を透視の邪魔にならない位置に置き、清潔を保ったまま退避できる動線を作っておく。

  5. Cアームのドレープ操作は最も不潔になりやすい場面。カバーの掛け方を事前に確認し、迷わず行えるようにしておく。

  6. インプラントはサイズ確定後に開封する。特にラグスクリューの長さは復唱確認を徹底する。

  7. 電動ドリル使用時は骨の熱損傷予防のため、冷却用の生食をすぐ出せる位置に用意する。

外回り看護師のポイント

  1. 牽引手術台のセッティングが最重要。会陰支柱の圧迫(陰部神経障害・皮膚障害)と、健側下肢の位置(腓骨神経麻痺コンパートメント症候群)を確認し、パッドを十分に使用する。

  2. 高齢者は皮膚が脆弱。牽引ブーツによる足関節・踵部の圧迫、テープによる皮膚剥離(スキン-テア)に注意する。

  3. 併存疾患の確認:心疾患、呼吸器疾患、認知症、そして抗凝固薬・抗血小板薬の内服と休薬状況は必ず把握する。

  4. 受傷から手術までの間に出血と脱水が進んでいることがある。輸液・循環動態・尿量を継続観察する。

  5. 高齢者は低体温になりやすい。入室前からの室温調整、加温マット・温風式加温装置を確実に使用する。

  6. 透視の使用時間が長い。全スタッフの防護衣・甲状腺プロテクター着用を確認し、透視時は声かけをする。

  7. 出血が術野で見えにくく、髄腔内や軟部組織、ドレープ下へ回り込む。ドレープの下も確認して出血量を評価する。

  8. 認知症や難聴のある患者へは、入室時のゆっくりした声かけと、覚醒時に人が付き添う体制を準備する。

緊急時の対応

  1. 脂肪塞栓肺塞栓(リーミング後のSpO2低下・EtCO2低下・血圧低下):直ちに術者と麻酔科へ報告し、蘇生物品と救急カートを準備する。

  2. 高齢者の血圧低下では出血と脱水の両方を疑う。輸液の追加と輸血の準備を並行して進める。

  3. 整復が得られず観血的整復に変更になる場合は、追加の展開器械・プレート・ケーブルを手配する。

  4. 透視中の急変では、まずCアームを術野から退避させて処置スペースを確保する。

確認先・参考資料

このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。

リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。