整形外科脊椎
PLIF / TLIF
腰椎すべり症や腰部脊柱管狭窄症に対して、後方から神経の圧迫を取り除き、椎体間にケージを入れてスクリューで固定する手術。所要時間は3〜4時間程度。腹臥位での体位管理と、神経モニタリング、透視の扱いが看護師の要点になる。
体位
腹臥位。四点支持フレームなどで腹部を圧迫しないようにする(腹部が圧迫されると静脈還流が妨げられ出血が増える)。顔・眼球・乳房・外陰部・膝・足趾の除圧を全て確認する。
麻酔
全身麻酔(気管挿管)。神経モニタリングを行う場合は筋弛緩薬の使用に制限があるため、麻酔科と事前に共有する。
皮膚消毒
肩甲骨下角〜殿裂上部、側方は両腋窩線まで。腸骨から骨移植する場合は採骨部も消毒する。
基本セット
特殊器械
ディスポーザブル製品
神経に触れる器械(神経剥離子、ケリソン)は術者が最も慎重になる場面で使う。渡すタイミングを急がず、確実に手渡す。
スクリューは径と長さの組み合わせが多い。透視で確認した数値を復唱してから該当サイズを渡す。
止血材はすぐ必要になる。ゼラチンスポンジを適切なサイズに切り、湿らせた状態で複数用意しておく。
硬膜損傷が起きると髄液が漏れる。修復用の細い針付き縫合糸と人工硬膜、フィブリン糊をすぐ出せる位置に。
高速ドリルは骨だけでなく神経も傷つける。使用中は視線を外さず、生食での冷却を絶やさない。
採取した局所骨は移植に使う。骨を溜める専用容器を用意し、乾燥させないようにする。
透視のたびに退避するため、器械台の位置と退避動線を最初に決めておく。
腹臥位への体位変換は最も事故が起きやすい場面。人数を確保し、リーダーの合図で頭部・体幹・下肢を同時に動かす。気管チューブの計画外抜去に最大限注意する。
腹臥位の除圧チェックリスト:眼球(絶対に圧迫しない)、顔面、耳介、乳房、外陰部、腸骨、膝、足趾、上肢の肩関節の角度。
腹部が圧迫されると硬膜外静脈叢がうっ血し出血が増える。フレームの位置を必ず確認する。
術後視力障害(POVL)のリスクがある。頭部の位置を定期的に確認し、記録に残す。
神経モニタリング使用時は、筋弛緩薬の使用制限を麻酔科と共有し、電極の位置を確認する。
出血量はドレープ下に流れ込みやすい。吸引ボトル・ガーゼ・ドレープ下を合わせて評価する。
予測される合併症:硬膜損傷・髄液漏、神経損傷(下肢筋力低下)、術後硬膜外血腫、感染。術直後の下肢の動きの確認方法を病棟へ申し送る。
神経モニタリングの波形が低下したら、直ちに術者へ声で報告。血圧を上げる指示に備え、麻酔科と連携する。
硬膜損傷・髄液漏:修復用の細い縫合糸、人工硬膜、フィブリン糊、パッチ用の脂肪組織採取器械を即座に手配する。
大量出血(椎体周囲の静脈叢):止血材を大量に追加し、吸引を増やす。輸血の準備を並行して進める。
腹臥位での心停止は蘇生が困難。仰臥位への緊急体位変換の手順と人員を、術前に頭に入れておく。
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。
今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。