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外科下部消化管・肛門

痔核手術

痔核根治術

内痔核・外痔核に対して、痔核を切除して結紮する手術(結紮切除術/LE法)。所要時間は30分〜1時間程度。短時間だが、術後の疼痛と出血が強く、患者の羞恥心への配慮が欠かせない。

ここは要注意!

  • 肛門内ガーゼの遺残は強い疼痛と感染を招く。枚数カウントを必ず行う。
  • 羞恥心の強い手術。カーテンや掛け物で露出を最小限にし、必要のない人を入室させない。
  • ジャックナイフ位への体位変換は転落と気道トラブルのリスクがある。人数を確保して行う。
  • 腰椎麻酔中の患者は下肢を動かせない。移動時の下肢の巻き込みに注意する。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

ジャックナイフ位(腹臥位で腰を折る)または砕石位。ジャックナイフ位では顔面・胸部の除圧と、殿部をテープで開くときの皮膚損傷に注意する。

麻酔

腰椎麻酔(脊椎麻酔)または仙骨硬膜外麻酔が多い。局所麻酔+鎮静のこともある。

皮膚消毒

肛門周囲と殿部、会陰部。消毒前に殿部をテープで開いて術野を作る。

必要物品・器械

基本セット

  • 肛門手術セット
  • 肛門鏡・開肛器、有鉤鑷子、モスキート鉗子、剪刀、持針器

特殊器械

  • 電気メス(細い先端)
  • 痔核把持鉗子
  • ヘッドライトまたは無影灯の調整
  • 超音波凝固切開装置(施設による)

ディスポーザブル製品

  • 吸収糸(結紮用)
  • 肛門内に留置する止血用のガーゼやスポンジ
  • 局所麻酔薬(術後鎮痛用の局所注射)
  • 軟膏・肛門用の被覆材

器械出し看護師のポイント

  1. 術野が狭く深い。器械はすべて細く小さいものを選び、術者の視野を遮らないよう渡す。

  2. 結紮糸を多く使う。糸の長さを揃え、絡ませずに渡す。

  3. 肛門内に入れるガーゼやスポンジは必ず枚数をカウントする(遺残は強い疼痛と感染の原因)。

  4. 切除した痔核は病理に出すことがある。術者に確認してから廃棄する。

  5. 電気メスの使いすぎは術後疼痛を強める。術者が慎重に使う理由を理解しておく。

  6. 3か所(3時・7時・11時方向)を処理することが多い。処理の順序を把握して先読みする。

外回り看護師のポイント

  1. 羞恥心への配慮が最も重要な術式のひとつ。不要な露出を避け、入室者を最小限にし、術野の会話にも配慮する。

  2. ジャックナイフ位では腹部の圧迫と顔面の除圧を確認する。腰椎麻酔で覚醒している場合は苦痛の訴えを聞く。

  3. 腰椎麻酔では下肢の感覚がなくなる。体位変換や移動時に下肢の位置を必ず保護する。

  4. 腰椎麻酔後の尿閉が起こりやすい。術後の排尿確認を病棟へ申し送る。

  5. 術後出血(特に排便時)と強い疼痛が特徴。鎮痛の指示と観察ポイントを申し送る。

  6. 予測される合併症:術後出血、疼痛、尿閉、肛門狭窄。

緊急時の対応

  1. 術中・術直後の出血:肛門鏡と止血用の縫合糸、電気メスをすぐ出せる状態にし、術者に報告する。

  2. 腰椎麻酔の高位麻酔(呼吸苦・血圧低下・手のしびれ):直ちに麻酔科へ報告し、酸素と昇圧薬を準備する。

  3. 迷走神経反射(徐脈・血圧低下・気分不良)は肛門操作でよく起こる。アトロピンの準備を確認する。

  4. 術後の大量出血は病棟で起こることが多い。緊急止血の連絡経路を申し送りに含める。

外科の他の術式

今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。