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外科下部消化管・肛門

イレウス手術

癒着性イレウス手術(癒着剥離術)

過去の手術による癒着で腸が詰まった状態(癒着性イレウス)に対して、癒着を剥がして腸の通りを回復させる手術。壊死した腸があれば切除する。緊急手術になることが多く、腸管が拡張していて損傷しやすいのが難点。

ここは要注意!

  • 拡張した腸管は器械で軽く挟むだけで破れる。鋭利な鉗子を絶対に使わない。
  • 麻酔導入時の誤嚥が最も危険。胃管からの吸引を確実に行ってから導入する。
  • 腸管壊死があると全身状態が急速に悪化する。バイタルの変化を軽視しない。
  • 剥離範囲が広いとガーゼの枚数が増える。カウントを最後まで厳密に。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

仰臥位。前回の創部に沿って開腹することが多い。腹部膨満が強く、除圧と保温に配慮する。

麻酔

全身麻酔(気管挿管)。腸閉塞では胃内容が貯留しておりフルストマック扱い。胃管からの吸引と迅速導入を行う。

皮膚消毒

前回創部を含めて剣状突起下〜恥骨結合、側方は腋窩線まで広く消毒する。

必要物品・器械

基本セット

  • 開腹基本セット
  • 癒着剥離用の細い剪刀・剥離子、腸鉗子多数
  • 自動開創器、持針器

特殊器械

  • 自動縫合器(腸管切除・吻合を行う場合)+カートリッジ
  • 電気メス、ベッセルシーリングシステム
  • イレウス管(術中に挿入する場合)
  • 腸管内容の吸引用の太い吸引管

ディスポーザブル製品

  • 洗浄用温生食(大量に)
  • ステープラーカートリッジ、腸管吻合用の縫合糸
  • 癒着防止材
  • ドレーン、腸管内容用の廃棄容器

器械出し看護師のポイント

  1. 癒着剥離が手術時間の大半を占める。細い剪刀と剥離子を切らさず、切れ味の良いものを維持する。

  2. 拡張した腸管は非常に脆く、触れただけで破れることがある。鈍的な腸鉗子だけを使う。

  3. 腸管が破れると腸内容が漏れて汚染が広がる。吸引と洗浄用生食を即座に出せるようにする。

  4. 腸管切除に移行する場合に備え、自動縫合器と吻合用の糸を待機させておく。

  5. 汚染した器械は別トレイに分け、清潔野との線引きを明確にする。

  6. 剥離した範囲が広いとガーゼの使用量が増える。カウントを崩さない。

外回り看護師のポイント

  1. 腸閉塞では脱水と電解質異常が進んでいる。術前の輸液量、尿量、電解質の値を把握して麻酔科と共有する。

  2. 迅速導入の介助:胃管からの吸引をすぐ使える状態にし、誤嚥に備える。

  3. 腸管内容の細菌が血中に移行し、敗血症を起こすことがある。バイタルの変化を注意深く観察する。

  4. 洗浄量が多くなるため、出血量の算出では洗浄液量を正確に記録する。

  5. 手術時間が読みにくい。長時間になる前提で除圧・保温・抗菌薬の追加を計画する。

  6. 予測される合併症:腸管損傷、縫合不全、再癒着による再発、腹腔内膿瘍、短腸症候群(広範囲切除時)。

緊急時の対応

  1. 麻酔導入時の誤嚥:吸引をすぐ渡し、頭低位・側臥位への体位変換に備える。気管支鏡の手配も想定する。

  2. 腸管損傷・広範囲汚染:洗浄用生食を大量に追加し、ドレーンと修復物品を増やして手配する。

  3. 敗血症性ショック:急速輸液、昇圧薬、血液培養、抗菌薬の準備を同時に進める。

  4. 広範囲の腸管壊死が判明したら、人工肛門造設やストーマ物品の手配に切り替える。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。