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外科下部消化管・肛門

Lap LAR

腹腔鏡下直腸低位前方切除術

直腸癌に対して、腹腔鏡下に直腸とリンパ節を切除し、残った腸と肛門側をつなぐ手術。所要時間は4〜6時間と長い。骨盤という狭く深い場所での操作で、自律神経の温存と吻合、そして一時的人工肛門の造設が要点。

ここは要注意!

  • 下肢コンパートメント症候群は術後に判明することが多く重篤。長時間の砕石位を「いつものこと」で流さない。
  • 円形吻合器の径の取り違えは吻合不全に直結する。復唱確認を必ず行う。
  • 経肛門操作の前後で清潔・不潔の線引きが崩れやすい。担当を分ける。
  • ストーマサイトマーキングを消してしまうと術後の装具装着に支障が出る。消毒時に擦らない。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

砕石位+強い頭低位。長時間のため下肢のコンパートメント症候群と神経障害のリスクが高い。支脚器の高さと膝の角度、ずり落ち防止を入念に確認する。

麻酔

全身麻酔(気管挿管)+硬膜外麻酔の併用が多い。長時間麻酔になる。

皮膚消毒

乳頭ライン〜大腿上部、会陰部・肛門周囲も含める。腹部と会陰で消毒セットを分ける。

必要物品・器械

基本セット

  • 開腹基本セット(開腹移行に備えて待機)
  • 腸鉗子・鉤・持針器・鑷子
  • 経肛門操作用の肛門鏡・開肛器

特殊器械

  • 気腹装置、トロッカー(12mm×2、5mm×3程度)
  • 腹腔鏡・カメラヘッド・光源ケーブル
  • 超音波凝固切開装置、ベッセルシーリングシステム
  • 自動縫合器(リニアステープラー)+カートリッジ多数
  • 円形自動吻合器(サーキュラーステープラー。径を術者と確認)
  • 経肛門的に洗浄・確認するための器具

ディスポーザブル製品

  • ステープラーカートリッジ、円形吻合器
  • 創縁保護器、標本回収バッグ
  • ICG(血流評価を行う場合)
  • ドレーン(骨盤内)、洗浄用温生食
  • 人工肛門(ストーマ)用装具一式

器械出し看護師のポイント

  1. 円形吻合器は径のサイズが複数ある。術者と径を復唱確認してから開封する。

  2. 経肛門操作が入る場面では会陰側が不潔野になる。腹部側の器械と混ぜないよう担当と置き場を分ける。

  3. 骨盤の深いところでの操作は視野が狭い。長い器械を用意し、術者の手元を邪魔しないよう渡す。

  4. 自律神経(排尿・性機能に関わる)の温存が重視される。術者が神経を追う場面では余計な会話を控える。

  5. 吻合後のリークテスト(空気やインジゴカルミンを注入して漏れを見る)に備え、注射器と生食を準備する。

  6. 一時的人工肛門を造設する場合は、腸管を体外に出す器械とストーマ用の物品を先に準備しておく。

外回り看護師のポイント

  1. 砕石位+強い頭低位+長時間は、オペ室で最も下肢コンパートメント症候群のリスクが高い組み合わせ。手術が長引く場合は下肢を一度水平に戻す判断を術者と相談する。

  2. ずり落ちによる腕神経叢損傷を防ぐため、滑り止めマットと肩の支持を確実に。傾ける前にテストする。

  3. 尿管ステントを術前に留置する症例がある。留置の有無と抜去予定を把握しておく。

  4. ストーマを造設する場合は、術前のストーマサイトマーキング(位置決め)が守られているか確認する。

  5. 出血量、体温、抗菌薬の追加投与を長時間にわたり管理する。記録の抜けに注意する。

  6. 予測される合併症:縫合不全、排尿障害・性機能障害、尿管損傷、腸閉塞。ドレーン排液の性状(便汁様)に注意して申し送る。

緊急時の対応

  1. 骨盤内(仙骨前静脈叢)からの出血は止血が極めて困難。直ちに応援・輸血・止血材の大量供給を手配する。

  2. リークテストで漏れが判明したら、追加縫合の物品と、人工肛門造設への変更に備えた物品を準備する。

  3. 尿管損傷が疑われたら泌尿器科コンサルトとステント留置の物品を手配する。

  4. 開腹移行の判断が出たら開腹セット・照明・追加人員を同時に動かす。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。