下肢静脈瘤 血管内焼灼術
EVLA / RFA
逆流している伏在静脈にカテーテルを入れ、レーザーまたは高周波で内側から焼いて閉塞させる手術。日帰り手術が多く、所要時間は30分〜1時間程度。局所麻酔(TLA麻酔)とエコーガイド下の操作が特徴。
ここは要注意
4
- TLA麻酔は総量が多く、局所麻酔薬中毒のリスクがある。使用量を必ず把握し記録する。
- レーザー保護眼鏡の未着用は失明につながる。患者の目も保護する。
- 術後の圧迫が不十分だと治療効果が落ちる。包帯・ストッキングの準備を忘れない。
- 「日帰りの簡単な手術」という空気に流されない。深部静脈血栓症は起こりうる。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位(外側の静脈を扱う場合は腹臥位)。患肢を軽度外旋させる。焼灼時は頭低位にして静脈を虚脱させる。
麻酔
TLA麻酔(大量の希釈局所麻酔薬を静脈周囲に注入する)が中心。鎮静や脊椎麻酔を併用することもある。
皮膚消毒
患肢の鼠径部〜足関節まで全周。
必要物品・器械
10
基本セット
- 小手術セット(メス・剪刀・鑷子・持針器・モスキート)
特殊器械
- 血管内焼灼装置(レーザーまたは高周波)とファイバー/カテーテル
- 超音波診断装置(エコー)と滅菌プローブカバー
- TLA麻酔用の注入ポンプまたはシリンジ
- ガイドワイヤー、シース
ディスポーザブル製品
- 焼灼用ファイバー/カテーテル
- TLA麻酔液(希釈した局所麻酔薬。調製方法と総量を確認)
- エコー用滅菌プローブカバー、滅菌ゼリー
- 弾性包帯・圧迫用ストッキング(術後圧迫に必須)
- レーザー保護眼鏡(室内全員分)
器械出し看護師のポイント
6
- TLA麻酔液は使用量が多い。調製方法(薬剤の種類・希釈倍率)を術者と確認し、総投与量を把握しておく。
- エコープローブの滅菌カバー装着は清潔操作の要。空気を入れずに装着する手順を練習しておく。
- レーザー使用時は室内全員が保護眼鏡を着用する。装着確認は誰が見ても声を上げてよい。
- 焼灼中はカテーテルを一定速度で引き抜く。術者の操作を妨げないよう、ケーブルの取り回しに配慮する。
- ガイドワイヤー、シース、カテーテルはすべてカウント対象。抜去したものを確実に回収する。
- 術後の圧迫が治療効果を左右する。弾性包帯・ストッキングを術式終了前に準備しておく。
外回り看護師のポイント
7
- 日帰り手術が多く、患者は覚醒していることが多い。処置ごとの声かけと不安への配慮が重要。
- TLA麻酔は局所麻酔薬の総量が多くなる。局所麻酔薬中毒(口周囲のしびれ、耳鳴り、めまい、痙攣)の初期症状を必ず観察する。
- レーザー安全管理:室外への警告表示、扉の管理、全員の保護眼鏡着用を確認する。
- 焼灼時の頭低位は血圧に影響する。体位変換の前後で声をかける。
- 術後の圧迫(弾性ストッキング)の装着方法と着用期間を患者へ説明できるよう把握しておく。
- 予測される合併症:深部静脈血栓症、知覚異常(伏在神経損傷)、皮膚熱傷、血栓性静脈炎。
- 日帰りでは帰宅後の観察ポイント(歩行、疼痛、腫脹)を本人と家族に伝える必要がある。
緊急時の対応
4
- 局所麻酔薬中毒:直ちに投与を中止し、術者・麻酔科へ報告。脂肪乳剤(イントラリピッド)と救急カートを準備する。
- 痙攣・意識障害が出たら気道確保を最優先にし、酸素と吸引をすぐ使える状態にする。
- 皮膚熱傷が疑われたら焼灼を中止し、冷却と創傷処置の準備をする。
- 帰宅後の急変に備え、緊急連絡先と受診の目安を必ず説明してから退室させる。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。