頸動脈内膜剥離術
CEA
頸動脈の動脈硬化によるプラーク(狭窄)を取り除き、脳梗塞を予防する手術。所要時間は2〜3時間程度。頸動脈を一時的に遮断するため、遮断中の脳血流の維持が最重要で、血圧管理が生死を分ける。
ここは要注意
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- 遮断中の血圧低下は脳梗塞に直結する。血圧の数値を「少し低いだけ」で流さない。
- 解除後の血圧上昇は過灌流症候群を招く。目標値の変化を全員で共有する。
- 術後血腫は数時間で気道閉塞を起こす。頸部の腫れを軽く見ない。
- プラークの破片は脳梗塞の原因になる。術野からの回収を確実に。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+頭部を反対側に回旋、肩枕で頸部を軽く伸展。過度な回旋は対側の血流を妨げるため角度を術者と確認する。
麻酔
全身麻酔が一般的。脳血流のモニタリング(脳波、近赤外線分光法、体性感覚誘発電位)を併用する。血圧の目標値が場面ごとに変わる。
皮膚消毒
下顎〜鎖骨下、対側の頸部まで。大伏在静脈をパッチに使う場合は下肢も消毒する。
必要物品・器械
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基本セット
- 血管外科基本セット
- 小自動開創器、細い剥離剪刀、モスキート鉗子多数
- マイクロ持針器
特殊器械
- 血管遮断用の鉗子・ブルドッグ・テープ(内頸・外頸・総頸動脈用)
- 内シャントチューブ(遮断中の血流を保つ)
- マイクロ器械、ルーペまたは手術用顕微鏡
- 脳血流モニタリング装置
- 内膜剥離用の専用剥離子
ディスポーザブル製品
- 血管パッチ(人工血管製または自家静脈)
- 血管縫合糸(6-0、7-0のモノフィラメント)
- ヘパリン加生食、ヘパリンとプロタミン
- 止血材、ドレーン(術後血腫の早期発見のため)
器械出し看護師のポイント
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- 頸動脈遮断の時間が脳梗塞のリスクに直結する。遮断開始時刻を記録し、経過時間を声で伝える。
- 内シャントを使う場合は、遮断直後に素早く挿入する必要がある。事前に準備してすぐ渡せるようにする。
- 剥離したプラークは脆く、破片が飛ぶと脳梗塞になる。術野からの回収を確実に行う。
- 血管縫合は極細の糸を使う。針の紛失がないよう1本ずつカウントする。
- ヘパリンとプロタミンは投与のタイミングが厳密。薬剤名を必ず復唱する。
- 閉創前の止血確認は入念に行われる。術後血腫は気道閉塞につながる。
外回り看護師のポイント
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- 血圧管理が最重要。遮断中は高めに、解除後は過灌流を防ぐため低めにと、場面ごとに目標が変わる。麻酔科と常に共有する。
- 脳血流モニタリングの変化は直ちに術者へ報告する。内シャント使用の判断につながる。
- 頸部の過度な回旋は対側の脳血流を妨げる。体位固定時に術者と角度を確認する。
- 術後血腫による気道閉塞が最も怖い。頸部の腫脹、嗄声、呼吸苦の観察を病棟へ強く申し送る。
- 術後の神経学的観察(麻痺、構音障害、意識レベル)の方法を申し送る。
- 予測される合併症:脳梗塞、過灌流症候群(頭痛・痙攣・脳出血)、術後血腫、脳神経麻痺(舌下神経など)。
緊急時の対応
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- 脳血流モニタリングの低下:直ちに術者へ報告。内シャント挿入と昇圧の指示に即応できるよう準備する。
- 術後血腫による気道閉塞:緊急で創部を開ける必要がある。抜糸セットと再挿管物品を用意し、応援を呼ぶ。
- 過灌流症候群(強い頭痛・痙攣・意識障害):直ちに報告し、降圧薬と抗痙攣薬を準備する。
- 術中の脳梗塞発症に備え、覚醒後すぐに神経学的評価ができる体制を整えておく。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。