脳動脈瘤コイル塞栓術
コイル塞栓術
脳動脈瘤に対して、足の付け根の動脈からカテーテルを脳まで進め、瘤の中にコイルを詰めて血流を止める血管内治療。開頭しないが、血管撮影室(またはハイブリッド手術室)で透視を見ながら行い、被曝管理とヘパリン管理が要点になる。
ここは要注意
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- 灌流ラインの気泡は脳梗塞に直結する。エア抜きを「たぶん大丈夫」で済ませない。
- 術中破裂は瞬時に致命的になる。プロタミンとバルーンの場所を全員が知っておく。
- ヘパリン管理を誤ると血栓か出血のどちらかが起こる。ACTの報告を怠らない。
- 透視時間が長く患者の皮膚障害が起こりうる。照射時間の記録を省略しない。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位。両上肢は体側固定。頭部が動くと治療が危険になるため頭部を確実に固定する。透視装置が回転するスペースを確保する。
麻酔
全身麻酔(気管挿管)が基本。体動を完全に防ぐ必要がある。
皮膚消毒
両側鼠径部(大腿動脈穿刺部)。橈骨動脈アプローチの場合は手首も消毒する。
必要物品・器械
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基本セット
- 血管内治療用の穿刺セット(穿刺針、シース、ガイドワイヤー)
特殊器械
- 各種カテーテル(ガイディングカテーテル、マイクロカテーテル)
- 塞栓用コイル(サイズ・形状違いを多数)、離脱装置
- ステント・バルーン(頸部の広い瘤に併用)
- 血管撮影装置(透視・DSA)
- 加圧バッグによる持続灌流ライン(複数系統)
ディスポーザブル製品
- 造影剤(アレルギー既往を必ず確認)
- ヘパリン加生食(灌流用。全ラインに使用)
- コイル(使用本数が読めないため在庫を確認)
- 穿刺部止血デバイス
- 鉛防護具・甲状腺プロテクター
器械出し看護師のポイント
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- 灌流ラインに気泡が入ると脳梗塞になる。ライン内のエア抜きを確実に行い、常に気泡を確認する。
- コイルはサイズと形状が非常に多く、術中に何度も変更される。サイズを復唱して正確に渡す。
- コイルの使用本数を記録する。1本ずつ数え、外回りと合わせる。
- マイクロカテーテルとガイドワイヤーは極細で折れやすい。無理な力をかけない。
- ヘパリン加生食の濃度と交換タイミングを術者・外回りと共有する。
- 術中破裂に備え、中和用のプロタミンとバルーンをすぐ出せる位置に置く。
外回り看護師のポイント
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- ヘパリンの投与量とACT(活性化凝固時間)の測定・報告を担う。血栓と出血のどちらにも直結する。
- 造影剤アレルギーの既往と腎機能を必ず確認する。造影剤腎症のリスクがある。
- 透視時間が長い。全スタッフの防護具着用、被曝線量の記録、患者の皮膚障害(長時間照射)に注意する。
- コイルの製品名・サイズ・使用本数・ロット番号を確実に記録する。
- 術後は穿刺部の止血と安静が必要。圧迫方法、安静時間、下肢の血流観察を病棟へ申し送る。
- 予測される合併症:術中破裂、血栓塞栓症(脳梗塞)、穿刺部の血腫・仮性動脈瘤、造影剤腎症。
緊急時の対応
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- 術中破裂(造影剤の血管外漏出、血圧上昇、徐脈):直ちにヘパリンの中和(プロタミン)とバルーン閉塞、開頭手術への移行準備を同時に行う。
- 血栓塞栓症が疑われたら、抗血小板薬・血栓溶解薬の準備と、脳梗塞への対応を手配する。
- 造影剤アナフィラキシー:投与を中止し、アドレナリン・輸液・救急カートを準備する。
- 穿刺部の大量出血・血腫:用手圧迫と外科的止血の準備をする。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。