脳室腹腔シャント術
V-Pシャント
水頭症に対して、脳室に溜まった髄液を細いチューブでお腹(腹腔)へ流す手術。所要時間は1〜2時間程度。頭・頸部・腹部の3か所を扱う手術で、感染すると全システムの入れ替えになるため、清潔操作が極めて重要。
ここは要注意
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- シャント感染は全システムの抜去につながる。清潔操作の妥協は許されない。
- 圧可変式バルブの設定圧はMRIで変わることがある。記録と申し送りを必ず行う。
- 広い消毒範囲は低体温と皮膚トラブルの原因。吸水と保温に配慮する。
- カテーテルを素手で触らない。手袋であっても皮膚に触れた手で触らない。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+頭部を反対側に回旋し、肩枕で頸部を伸展。頭から腹部まで一直線に術野を作るため、体位が崩れないよう固定する。
麻酔
全身麻酔(気管挿管)。
皮膚消毒
頭部(剃毛部)〜頸部〜前胸部〜腹部までを一続きに消毒する。範囲が非常に広い。
必要物品・器械
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基本セット
- 穿頭・小開頭セット
- 小開腹セット(腹腔側)
- メス・剪刀・持針器・モスキート
特殊器械
- シャントシステム(脳室カテーテル、バルブ、腹腔カテーテル)
- 圧可変式バルブの場合は圧設定用の専用機器
- 皮下トンネラー(チューブを皮下に通す器具)
- 穿頭用ドリル
- 腹腔側を腹腔鏡で確認する場合は腹腔鏡一式
ディスポーザブル製品
- シャントシステム一式(開封前に型番と圧設定を確認)
- 抗菌薬入りの洗浄用生食
- 止血材、ボーンワックス
- 縫合糸各種、皮膚接合材
器械出し看護師のポイント
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- 感染すると全システムを抜去することになる。この術式の清潔操作は「厳格」ではなく「極端に厳格」と考える。
- シャントシステムは開封前に型番・バルブの種類・圧設定を術者と確認する。
- 皮下トンネラーで頭部から腹部までチューブを通す操作は、術野が長く移動が大きい。清潔野の連続性を保つ。
- 頭部側と腹部側で器械を分ける施設が多い。ルールを確認しておく。
- 髄液が出てくる場面がある。髄液の性状(混濁の有無)を術者と確認する。
- カテーテルは素手で触らず、器械で扱う(皮膚常在菌の付着が感染源になる)。
外回り看護師のポイント
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- 圧可変式バルブは磁気の影響を受ける。設定圧を記録し、術後のMRI撮影後に再設定が必要なことを申し送る。
- 消毒範囲が非常に広い。消毒液が体の下に溜まって化学熱傷や低体温を起こさないよう、吸水シートを使う。
- 手術室への入退室を最小限にする。感染対策が最優先の術式であることを全員で共有する。
- シャントシステムの型番・ロット番号・設定圧を確実に記録する。
- 術後は髄液の流れ具合で意識レベルや頭痛が変化する。観察ポイントを病棟へ申し送る。
- 予測される合併症:シャント感染、シャント閉塞、過剰drainage(硬膜下血腫)、カテーテルの断裂。
緊急時の対応
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- 術中に髄液が急速に流出すると、硬膜下血腫や脳の虚脱が起こりうる。術者へ報告し、流出をコントロールする。
- 腹腔側の操作で腸管損傷が疑われたら、外科へのコンサルトと修復物品を手配する。
- 術後の意識レベル低下は閉塞や過剰drainageのサイン。CT撮影と再手術の可能性を申し送る。
- 感染を疑う所見(発熱、創部の発赤、髄液の混濁)は速やかに報告する。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。