慢性硬膜下血腫 穿孔洗浄ドレナージ術
CSDH ドレナージ
頭部外傷後しばらくして硬膜下にたまった血腫を、頭蓋骨に小さな穴を開けて洗浄・排出する手術。高齢者に多く、局所麻酔で行うことも多い。所要時間は30分〜1時間程度と短いが、患者が覚醒していることが多く声かけが重要。
ここは要注意
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- 冷たい生食で洗浄しない。加温を忘れると患者に不利益が生じる。
- 局所麻酔では会話がすべて聞こえている。予後や病名に関わる話題を術野でしない。
- 抗凝固薬の内服確認を怠ると再出血のリスクが高まる。
- 「簡単な手術」という思い込みが油断を生む。急性硬膜下血腫への移行は起こりうる。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位+頭部を健側に回旋(血腫側を上に)。頭部の下に枕やドーナツ枕を使い、頸部の無理な回旋を避ける。
麻酔
局所麻酔(+鎮静)で行うことが多い。全身麻酔になる場合もある。局所麻酔では患者に聞こえていることを常に意識する。
皮膚消毒
穿孔部位を中心とした頭部。剃毛範囲を術者に確認する。
必要物品・器械
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基本セット
- 小開頭セット
- メス・剪刀・鑷子・持針器、小自動開創器
特殊器械
- 穿頭用ドリル(ハンドドリルまたは電動)
- 硬膜切開用のメス・フック
- 洗浄用のカテーテルまたはネラトン
- バイポーラ
ディスポーザブル製品
- 温めた生理食塩水(大量に。冷たい生食は使わない)
- 硬膜下ドレーン(閉鎖式)と固定用の縫合糸
- 止血材、ボーンワックス
- 局所麻酔薬(十分な量)
器械出し看護師のポイント
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- 洗浄用の生食は必ず体温程度に温める。冷たい生食は脳を刺激し、痙攣や血圧変動を起こす。
- 手術時間は短いが、洗浄で使う生食の量は多い。切らさないよう先回りして準備する。
- 局所麻酔の場合、器械のぶつかる音がそのまま患者に聞こえる。器械の受け渡しを静かに行う。
- ドレーンの留置方向と深さは術者が決める。固定用の糸をすぐ渡せるようにしておく。
- 血腫は独特の色(機械油様)をしている。排液の性状を術者と確認し、記録に活かす。
- 短時間の手術でもガーゼカウントは省略しない。
外回り看護師のポイント
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- 局所麻酔では患者が起きている。処置の前に「今から◯◯します」と声をかけ、不安を減らす。
- 高齢者が多く、抗凝固薬・抗血小板薬を内服していることが多い。休薬状況と最終内服日を必ず確認する。
- 認知症のある患者では体動のリスクがある。安全な抑制ではなく、人が付き添って声をかける対応を優先する。
- 洗浄液は温めて使用する。加温庫の温度を確認し、熱すぎないことも確認する。
- 短時間でも保温は必要。高齢者は短時間で体温が下がる。
- ドレーンの留置位置と排液バッグの高さ(頭部との位置関係)を病棟へ正確に申し送る。
- 予測される合併症:再貯留、急性硬膜下血腫、痙攣、緊張性気脳症。術後の意識レベルの観察が重要。
緊急時の対応
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- 術中の意識レベル低下・瞳孔不同:直ちに術者へ報告。急性硬膜下血腫や気脳症を疑い、開頭への移行に備える。
- 痙攣が起きたら、患者の安全確保(転落防止)を最優先にし、抗痙攣薬をすぐ準備する。
- 急な血圧上昇・徐脈(クッシング現象)は頭蓋内圧亢進のサイン。速やかに報告する。
- 局所麻酔薬中毒(口周囲のしびれ、耳鳴り、痙攣)を疑ったら投与を止め、脂肪乳剤の準備を確認する。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。