子宮頸部円錐切除術
円錐切除
子宮頸部異形成や上皮内癌に対して、子宮頸部を円錐状に切除して診断と治療を兼ねる手術。所要時間は20〜40分程度と短い。切除標本の向きの管理と、術後出血への備えがポイント。
ここは要注意
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- 標本の向きが分からなくなると断端評価ができず、追加治療の判断ができなくなる。
- 腟内ガーゼの遺残は感染・出血の原因。全数カウントを徹底する。
- 覚醒下では会話がすべて聞こえる。「がん」という言葉の扱いに配慮する。
- 術後の二次出血は自宅で起こることがある。受診の目安を説明して退室させる。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
砕石位。短時間だが支脚器による圧迫と股関節の角度に注意する。
麻酔
腰椎麻酔(脊椎麻酔)または全身麻酔。静脈麻酔で行うこともある。
皮膚消毒
外陰部・腟内。腟鏡を入れて頸部を露出させる。
必要物品・器械
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基本セット
- 腟式手術セット
- 腟鏡(クスコまたは腟壁鉤)、子宮頸部把持鉗子、持針器
特殊器械
- 高周波メス(LEEP)またはレーザー、コールドナイフ
- コルポスコープ(拡大鏡)
- 頸管拡張器、子宮消息子
- 止血用の電気メス(ボール電極)
ディスポーザブル製品
- 検体容器(切除標本用。向きを示す糸やマーキング)
- 止血用のガーゼ・タンポン(腟内に留置。必ず枚数をカウント)
- 止血材、縫合糸
- 希釈した血管収縮薬入り局所麻酔薬(頸部に注射して出血を減らす)
器械出し看護師のポイント
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- 切除標本の向き(12時方向)を示すマーキングが病理診断に必須。術者と方法を確認して確実に行う。
- 腟内に入れるガーゼ・タンポンは必ず枚数をカウントする。遺残は感染と出血の原因になる。
- 高周波メスやレーザーの煙(サージカルスモーク)が発生する。吸煙装置を使う。
- 術野が狭く深い。長めの器械を選び、術者の視野を遮らないよう渡す。
- 止血に時間がかかることがある。ボール電極や止血材を切らさない。
- 短時間の手術でも器械・ガーゼのカウントは省略しない。
外回り看護師のポイント
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- 羞恥心への配慮が重要。不要な露出を避け、入室者を最小限にする。
- 腰椎麻酔で覚醒している場合、術野の会話がすべて聞こえる。診断名や予後に関わる話題に配慮する。
- 妊娠を希望する女性が多い。術後の妊娠・早産リスクに関する不安に配慮して申し送る。
- 術後出血(特に術後1〜2週の二次出血)が起こりうる。腟内タンポンの留置の有無と抜去時期を病棟へ申し送る。
- 検体の取り違えは診断を誤らせる。氏名と向きを二人で確認する。
- 予測される合併症:術後出血、頸管狭窄、早産リスクの上昇、感染。
緊急時の対応
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- 術中・術後の大量出血:腟鏡、電気メス、止血用縫合糸、タンポンをすぐ出せる状態にする。
- 腰椎麻酔の高位麻酔(呼吸苦・血圧低下):直ちに麻酔科へ報告し、酸素と昇圧薬を準備する。
- 頸管操作による迷走神経反射(徐脈・血圧低下):報告し、アトロピンの準備を確認する。
- 子宮穿孔が疑われたら、腹腔鏡での確認に移行する可能性がある。準備を想定しておく。
確認先・参考資料7
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 産婦人科診療ガイドライン(産科編・婦人科外来編)日本産科婦人科学会帝王切開、産科危機的出血、婦人科手術の標準的な考え方
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。