腹腔鏡下仙骨腟固定術
LSC
骨盤臓器脱(子宮や腟が下がってくる状態)に対して、腹腔鏡下にメッシュで腟を仙骨に吊り上げて固定する手術。所要時間は3〜4時間程度。高齢女性が多く、メッシュの取り扱いと縫合操作の多さが特徴。
ここは要注意
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- 仙骨前静脈叢の出血は止血が極めて困難。開腹移行と輸血の準備を常に念頭に置く。
- メッシュ関連の合併症は数年後に出ることがある。ロット記録を確実に残す。
- 高齢者の強い頭低位は眼圧上昇・顔面浮腫のリスクが高い。ドレーピング前の確認を省略しない。
- 腟マニピュレーターの清潔・不潔の線引きを崩さない。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
砕石位+強い頭低位。高齢者が多く、支脚器による圧迫と長時間の頭低位に特に注意する。ずり落ち防止を確実に。
麻酔
全身麻酔(気管挿管)。強い頭低位+気腹で気道内圧・眼圧が上昇する。
皮膚消毒
腹部(臍上〜恥骨)+外陰部・腟内。腟操作を伴うため腟部も消毒する。
必要物品・器械
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基本セット
- 開腹基本セット(開腹移行に備えて待機)
- 腟式手術セット
特殊器械
- 気腹装置、トロッカー(12mm×1、5mm×3程度)
- 腹腔鏡・カメラヘッド・光源ケーブル
- 腹腔鏡用持針器(縫合操作が非常に多い)
- 腟マニピュレーター(腟を持ち上げて術野を作る)
- ベッセルシーリングシステム
ディスポーザブル製品
- メッシュ(形状とサイズを術者と確認)
- メッシュ固定用の非吸収糸(多数)
- 腹膜閉鎖用の吸収糸
- 導尿カテーテル、洗浄用温生食
器械出し看護師のポイント
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- 縫合操作が非常に多い術式。糸を必要な長さに整え、絡ませず次々渡せる仕組みを作る。
- メッシュは体内に残る医療材料。サイズと形状を確認してから開封し、ラベルを外回りへ渡す。
- 仙骨前面の操作では仙骨前静脈叢からの出血が起こりうる。止血材を手元に置く。
- 腟マニピュレーターは腟から入る不潔野の器械。清潔野の器械と混ぜない。
- 尿管が術野の近くを走る。術者が尿管を確認する場面では静かに待つ。
- メッシュを腹膜下に埋め込むため、腹膜閉鎖の縫合糸を準備しておく。
外回り看護師のポイント
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- 高齢女性が多い。既往歴、内服薬(抗凝固薬)、フレイルの程度を把握しておく。
- 砕石位+強い頭低位+長時間は下肢と眼球へのリスクが高い。固定と除圧をとくに丁寧に確認する。
- メッシュの製品名・サイズ・ロット番号を確実に記録する。
- 尿量と尿の色を継続的に観察する。血尿は膀胱・尿管損傷のサインになりうる。
- 術後の排尿状態(残尿・尿失禁)の観察方法を病棟へ申し送る。
- 予測される合併症:メッシュびらん・露出、尿管・膀胱・腸管損傷、術後の排尿障害、再発。
緊急時の対応
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- 仙骨前静脈叢からの出血:直ちに止血材を大量供給し、応援と輸血、開腹移行を同時に手配する。
- 尿管損傷が疑われたら泌尿器科コンサルトとステント留置の物品を手配する。
- 腸管損傷ではメッシュの使用を断念することがある。術式変更に備える。
- 抜管後の気道浮腫(長時間の頭低位)に備え、再挿管物品を回復室にも用意する。
確認先・参考資料7
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 産婦人科診療ガイドライン(産科編・婦人科外来編)日本産科婦人科学会帝王切開、産科危機的出血、婦人科手術の標準的な考え方
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。