異所性妊娠 腹腔鏡下卵管手術
異所性妊娠
子宮外(多くは卵管)に着床した妊娠に対して、腹腔鏡下に卵管を切除または卵管を切開して妊娠組織を取り出す手術。破裂例は腹腔内に大量出血しており、緊急手術になる。スピードと出血対応がすべて。
ここは要注意
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- 破裂例は数分でショックが進行する。「腹腔鏡だから軽い」と考えない。
- 麻酔導入時の血圧低下が最も危険。輸血・輸液・昇圧薬を導入前に整えておく。
- 妊娠組織の検体を血液と一緒に捨ててしまわない。回収方法を確認する。
- 患者と家族への精神的配慮を忘れない。術野の会話にも注意する。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
砕石位+頭低位。緊急のため準備を急ぐが、体位固定は省略しない。
麻酔
全身麻酔(気管挿管)。破裂例では出血性ショックを伴うため、導入時の血圧低下に厳重注意。迅速導入となることが多い。
皮膚消毒
腹部(臍上〜恥骨)+外陰部・腟部。
必要物品・器械
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基本セット
- 開腹基本セット(開腹移行に備えて必ず待機)
- 持針器・鑷子・剪刀
特殊器械
- 気腹装置、トロッカー(12mm×1、5mm×2)
- 腹腔鏡・カメラヘッド・光源ケーブル
- ベッセルシーリングシステム、バイポーラ
- 吸引洗浄装置(腹腔内の血液を大量に吸引する)
- 子宮マニピュレーター
ディスポーザブル製品
- 標本回収バッグ
- 吸引ボトル(大容量。血液が大量に溜まる)
- 洗浄用温生食(大量に)
- 止血材、輸血用の太いルート
器械出し看護師のポイント
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- 破裂例では腹腔内が血液で満たされ、視野がまったくない状態から始まる。吸引を最優先で確保する。
- 緊急入室が多い。いつもの並べ方を崩さず、最短で展開する。
- 卵管切除か温存(切開)かで必要な器械が変わる。両方に対応できるよう準備する。
- 妊娠組織は病理に提出する。血液と一緒に吸引してしまわないよう、回収方法を術者と確認する。
- 出血源の卵管を処理するまでは出血が続く。シーリングデバイスをすぐ渡せる状態に。
- ガーゼ・針のカウントは緊急でも省略しない。
外回り看護師のポイント
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- 出血性ショックを伴うことがある。太い静脈ルート、加圧バッグ、輸血の緊急払い出しを入室と同時に動かす。
- 妊娠反応・最終月経・出血量・ショック状態を短時間で把握し、麻酔科と共有する。
- 麻酔導入時に血圧が急激に下がることがある。昇圧薬をすぐ使える状態にしておく。
- 腹腔内に溜まった血液の量を吸引ボトルで正確に把握し、出血量として記録する。
- 妊娠の喪失という精神的ダメージが大きい。術後の声かけと家族への配慮を申し送る。
- 予測される合併症:出血性ショック、卵管機能の喪失、次回妊娠への不安。
緊急時の対応
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- 出血性ショック:輸血の緊急払い出し、急速輸液、昇圧薬を同時に手配。応援を最大限集める。
- 腹腔鏡で視野が得られない場合は開腹に移行する。開腹セットを開けられる状態にしておく。
- 心停止に至る可能性がある。救急カートと除細動器を室内に用意する。
- 輸血の同意が取れていない場合の手順(緊急時の対応)を施設ルールで確認しておく。
確認先・参考資料7
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 産婦人科診療ガイドライン(産科編・婦人科外来編)日本産科婦人科学会帝王切開、産科危機的出血、婦人科手術の標準的な考え方
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。