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産婦人科婦人科(子宮)

TLH

腹腔鏡下子宮全摘術

子宮筋腫や子宮腺筋症などに対して、腹腔鏡下に子宮を摘出し、腟から取り出す手術。所要時間は2〜3時間程度。砕石位・頭低位という特徴的な体位と、腟から操作する器械(子宮マニピュレーター)の扱いがポイント。

ここは要注意!

  • 子宮マニピュレーターは不潔野の器械。触れた手でそのまま清潔野に戻らない。
  • 強い頭低位で長時間の手術は、顔面浮腫・眼球圧迫・気道浮腫を起こす。ドレーピング前の確認と術中の観察を怠らない。
  • 血尿に気づいたら「体位のせい」と思わず、必ず術者に報告する。
  • 砕石位は下肢を上げ下げする瞬間に血圧が変動する。左右同時にゆっくり動かし、麻酔科に声をかける。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

砕石位(開脚位)+強い頭低位。支脚器の高さと角度、下肢のずり落ち、腓骨神経・大腿神経の圧迫に注意する。両上肢は体側固定。

麻酔

全身麻酔(気管挿管)。強い頭低位+気腹で気道内圧が上昇する。

皮膚消毒

腹部(剣状突起下〜恥骨)+外陰部・腟内の消毒。腹部と腟部で消毒セットを分ける。

必要物品・器械

基本セット

  • 開腹基本セット(開腹移行に備えて待機)
  • 腟式手術セット(腟断端縫合用)

特殊器械

  • 気腹装置、トロッカー(12mm×1、5mm×3程度)
  • 腹腔鏡・カメラヘッド・光源ケーブル
  • 子宮マニピュレーター(不潔野から腟に挿入)
  • ベッセルシーリングシステム、超音波凝固切開装置
  • 腹腔鏡用持針器(腟断端縫合用)
  • 膀胱鏡(尿管損傷が疑われる場合に備えて)

ディスポーザブル製品

  • 導尿カテーテル(術中の尿量と膀胱損傷の確認のため留置)
  • 腟断端縫合用の吸収糸(バーブ付き糸を使うことも)
  • 標本回収バッグ、洗浄用温生食
  • 腟内ガーゼ(術後留置する場合)

器械出し看護師のポイント

  1. 子宮マニピュレーターは腟から入れるため不潔野の器械。清潔野の器械と絶対に混ぜない。担当を分けるのが安全。

  2. 尿管は子宮動脈のすぐ近くを走る。血管処理の場面は術者が最も慎重になるので、シーリングデバイスを確実に渡す。

  3. 腟断端の切開が入ると腟内と腹腔がつながり、汚染の可能性が出る。器械の入れ替えルールを確認しておく。

  4. 摘出子宮は腟から取り出す。標本の受け渡し役を決めておき、落下や取り違えを防ぐ。

  5. 腟断端縫合は腹腔鏡下の縫合操作で難易度が高い。持針器と糸を絡ませず、必要な長さで渡す。

  6. 頭低位で器械台が傾く感覚になる。器械の落下に注意し、整理を保つ。

外回り看護師のポイント

  1. 砕石位+強い頭低位はオペ室で最も体位トラブルが多い組み合わせ。支脚器の高さ、膝の角度、腓骨頭の圧迫、肩の圧迫をすべて確認する。

  2. 頭低位でずり落ちると腕神経叢損傷や気管チューブトラブルにつながる。滑り止めマットと体幹固定を確実に。

  3. 下肢のコンパートメント症候群のリスクがある。手術が長引く場合は下肢を一度水平に戻す判断を術者と相談する。

  4. 尿量と尿の色を継続的に観察する。血尿は膀胱・尿管損傷のサインになりうる。

  5. 気腹+頭低位で気道内圧・EtCO2が上昇する。麻酔科と数値を共有する。

  6. 摘出標本(子宮・付属器)は病理検査に出す。左右の別と部位を明記して確認する。

  7. 予測される合併症:尿管・膀胱損傷、腸管損傷、腟断端出血・離開。術後の尿の性状を病棟へ申し送る。

緊急時の対応

  1. 子宮動脈からの出血:吸引を追加し、シーリングデバイスとクリップを即座に渡す。開腹移行に備え応援を呼ぶ。

  2. 尿管損傷が疑われたら泌尿器科へのコンサルトとステント留置の物品を手配する。膀胱鏡の準備も想定する。

  3. 腸管損傷では洗浄用生食と修復用縫合糸を追加し、汚染範囲に応じてドレーンを準備する。

  4. 抜管後の気道浮腫(頭低位が長かった場合)に備え、再挿管の物品を回復室にも用意しておく。

確認先・参考資料

このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。

リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。