膀胱全摘除術+回腸導管造設術
膀胱全摘
浸潤性膀胱癌に対して、膀胱と周囲のリンパ節を摘出し、小腸の一部を使って尿の出口(回腸導管)を作る手術。所要時間は6〜10時間と非常に長い。摘出・郭清・尿路再建・ストーマ造設と工程が多く、術後のストーマ管理まで看護の役割が広い。
ここは要注意
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- ストーマサイトマーキングを消すと術後の装具装着に支障が出る。消毒時に擦らない。
- 超長時間の砕石位・頭低位は下肢コンパートメント症候群のリスクが高い。定期的な評価を省略しない。
- 尿管ステントの左右を取り違えると術後の評価ができない。記録を正確に。
- ボディイメージの変化が大きい手術。患者と家族への精神的配慮を申し送りに含める。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
砕石位または仰臥位(アプローチによる)。ロボット支援の場合は強い頭低位。超長時間のため除圧と下肢の血流に細心の注意を払う。
麻酔
全身麻酔+硬膜外麻酔の併用が多い。長時間の循環・体温管理を要する。
皮膚消毒
乳頭ライン〜大腿上部、外陰部・会陰部を含む。ストーマ予定部位のマーキングを消さないよう注意する。
必要物品・器械
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基本セット
- 開腹基本セット
- 腸鉗子・自動開創器・持針器・鑷子
- リンパ節郭清用の細い剥離器械
特殊器械
- 自動縫合器(腸管切離・吻合用)+カートリッジ多数
- ベッセルシーリングシステム、超音波凝固切開装置
- ロボット支援の場合はロボット一式とロボット用器械
- 尿管ステント(回腸導管に留置)
- 血管クリップ、クリップアプライヤー
ディスポーザブル製品
- 尿管ステント(左右)、ストーマ用装具一式
- ステープラーカートリッジ、腸管吻合用の縫合糸
- ドレーン(骨盤内)、洗浄用温生食
- 輸血に備えた太いルート、セルセーバー回路
器械出し看護師のポイント
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- 6〜10時間の超長時間手術。工程は「膀胱摘出 → リンパ節郭清 → 回腸導管作成 → 尿管吻合 → ストーマ造設」。今どこかを把握して先読みする。
- 腸管を扱った後は汚染操作になる。器械を分け、清潔野との線引きを明確にする。
- 尿管は細く、血流を壊すと吻合部が狭窄する。術者が尿管を扱う場面では慎重に器械を渡す。
- 尿管ステントは左右がある。どちらに入れたかを術者と確認して記録する。
- 骨盤内は出血が多い場所。吸引と止血材を切らさない。
- 摘出標本と郭清したリンパ節は部位別に提出する。ラベリングを術者と確認する。
外回り看護師のポイント
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- 術前のストーマサイトマーキングが守られているか確認する。消毒で消さないよう注意する。
- 超長時間手術。体位固定後の除圧確認に加え、術中も定期的に圧迫部位を評価し記録する。
- 出血量が多い。輸血の準備状況を入室前に確認し、術中も麻酔科と数字を共有する。
- 尿量の評価が難しくなる(膀胱がなくなるため)。尿管ステントからの排液を含めて記録する。
- 術後はストーマ管理が始まる。装具の種類、尿管ステントの本数と抜去予定を病棟・皮膚排泄ケア認定看護師へ申し送る。
- 予測される合併症:出血、腸閉塞、尿漏・縫合不全、ストーマ合併症、腎機能低下。
緊急時の対応
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- 骨盤内(内腸骨動静脈)からの大量出血:直ちに応援・輸血・止血材の大量供給を手配する。
- 腸管損傷や広範囲汚染では、洗浄物品とドレーンを大幅に追加する。
- 長時間手術での低体温と凝固障害:加温を最大にし、新鮮凍結血漿・血小板の準備を確認する。
- 術後の尿漏(ドレーン排液の増加)は緊急対応が必要。観察ポイントを申し送る。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。