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泌尿器科腹腔鏡・ロボット手術

RARP

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術

前立腺癌に対して、手術支援ロボット(ダヴィンチなど)を使って前立腺を摘出し、膀胱と尿道をつなぐ手術。所要時間は3〜4時間程度。ロボットのドッキングと、強い頭低位での体位管理が看護師の最重要ポイント。

ここは要注意!

  • ドッキング中にベッドを動かすと患者が重大な損傷を受ける。「絶対に動かさない」を全員で共有する。
  • 強い頭低位でのずり落ちは、傾けた直後ではなく時間が経ってから起きる。術中も定期的に確認する。
  • 術者がコンソールにいるため、術野の異変への気づきが遅れやすい。看護師の観察が生命線になる。
  • 眼の保護を忘れない。眼圧上昇による術後視力障害は回復しないことがある。

体位・麻酔・皮膚消毒

体位

砕石位+非常に強い頭低位(25〜30度)。ずり落ちると重大事故になるため、専用マットと肩の固定を確実に。ドッキング後はベッドを動かせないことを全員で共有する。

麻酔

全身麻酔(気管挿管)。強い頭低位+気腹で気道内圧、眼圧、頭蓋内圧が上昇する。

皮膚消毒

剣状突起下〜大腿上部、陰茎・陰嚢を含む。導尿は消毒後に清潔野で行うことが多い。

必要物品・器械

基本セット

  • 開腹基本セット(開腹移行に備えて待機)
  • 腹腔鏡基本器械

特殊器械

  • 手術支援ロボット本体(ペイシェントカート、サージョンコンソール、ビジョンカート)
  • ロボット用トロッカーとロボットアーム用器械(各アームのインストゥルメント)
  • ロボット用ドレープ(アーム被覆)
  • 内視鏡(3D内視鏡)とキャリブレーション
  • 助手用の腹腔鏡器械(吸引、把持鉗子、クリップアプライヤー)

ディスポーザブル製品

  • ロボットアーム用滅菌ドレープ一式
  • 膀胱尿道吻合用の縫合糸(バーブ付き糸を使うことが多い)
  • 標本回収バッグ、クリップ
  • 膀胱留置カテーテル(吻合部保護のため術後留置)
  • 洗浄用温生食、ドレーン

器械出し看護師のポイント

  1. ロボットアームのドレーピングは器械出しの重要な仕事。手順を覚え、清潔を保ったまま素早く行う。

  2. ロボット器械は使用回数の上限がある。開封前に残回数を確認する。

  3. ドッキング後はアームが患者に近接する。アームと患者の干渉(体表への圧迫)に気づいたら即座に伝える。

  4. 術者はコンソールにいて術野から離れている。術野の異常に最初に気づくのは器械出しと助手であることを自覚する。

  5. 膀胱尿道吻合ではバーブ付き糸を使うことが多い。絡ませず、必要な長さで確実に渡す。

  6. 緊急時にはロボットを外して開腹に移る必要がある。アームの外し方(緊急離脱の手順)を頭に入れておく。

  7. 標本(前立腺)は病理検査に直結する。摘出後の扱いと方向を術者に確認する。

外回り看護師のポイント

  1. 強い頭低位でのずり落ちは最も重大な合併症。専用の滑り止めマット、肩の支持、体幹固定を確実に行い、傾ける前にテストする。

  2. ドッキング後はベッドを動かせない。緊急時の対応手順(緊急離脱)を室内全員で共有してから始める。

  3. 強い頭低位による合併症:眼圧上昇(術後視力障害)、顔面・喉頭浮腫、頭蓋内圧上昇、腕神経叢損傷目の保護と定期確認を行う。

  4. 下肢のコンパートメント症候群のリスク。長時間になる場合は術者と相談し、下肢の位置を評価する。

  5. ロボット機器のセッティング、電源、ケーブル、エラー対応を把握しておく。エラーで手術が止まると患者への負担が増える。

  6. 気腹+頭低位で気道内圧とEtCO2が上昇する。麻酔科と継続的に共有する。

  7. 抜管後の気道浮腫に注意。声のかすれや呼吸苦を回復室へ確実に申し送る。

  8. 予測される合併症:尿失禁、勃起障害、吻合部リーク、直腸損傷。術後のカテーテル管理を病棟へ申し送る。

緊急時の対応

  1. 大量出血心停止など、開腹・蘇生が必要になったら、まずロボットアームの緊急離脱を最優先で行う(この手順を知らないと何も始まらない)。

  2. 離脱後は開腹セットの展開、頭低位の解除、応援と輸血の手配を同時に進める。

  3. ロボットのシステムエラーで動かなくなった場合は、器械を用手で外す手順に切り替える。取扱説明の場所を把握しておく。

  4. 直腸損傷が判明したら、洗浄物品・修復用縫合糸・外科へのコンサルトを手配する。

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今日もおつかれさま。ひとつ覚えたら、明日はもう少しラクになります。