高位精巣摘除術
高位精巣摘除
精巣腫瘍が疑われるときに、鼠径部を切開して精索を内鼠径輪の高さで結紮し、精巣ごと摘出する手術。診断と治療を兼ねた準緊急手術で、所要時間は1時間前後。陰嚢からの切開は腫瘍の播種リスクがあるため行わない。若年男性が多い。
ここは要注意
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- 陰嚢からのアプローチは播種のリスクがあるため禁忌。術式の意味を理解しておく。
- 術前の腫瘍マーカー未採取のまま手術を始めない。気づいたら声を上げる。
- 左右の取り違えは取り返しがつかない。照合を省略しない。
- 若年患者の心理的負担が大きい。術野の会話に配慮する。
体位・麻酔・皮膚消毒
体位
仰臥位。
麻酔
全身麻酔または脊椎麻酔。
皮膚消毒
鼠径部〜陰嚢。
必要物品・器械
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基本セット
- 小開腹セット(鼠径ヘルニアに準ずる)
- モスキート・コッヘル、小さな鉤、持針器
特殊器械
- 精索クランプ用の鉗子
- ベッセルシーリングまたはバイポーラ
- 義睾丸(希望がある場合。サイズ確認)
ディスポーザブル製品
- 精索結紮用の強い糸
- 標本容器(病理提出用)
- 皮下縫合糸・皮膚接合材
器械出し看護師のポイント
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- 精索を先に結紮してから精巣を摘出する流れ。結紮用の強い糸を最初から準備しておく。
- 腫瘍を圧迫しない愛護的な操作が原則。把持鉗子の選択に注意する。
- 摘出標本は病理診断がすべて。摘出後は直ちに容器へ移し、提出を確認する。
- 義睾丸を挿入する場合は人工物。清潔操作を厳格にし、サイズとロットを記録する。
- 短時間でもガーゼ・針のカウントは確実に。
外回り看護師のポイント
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- 術前の腫瘍マーカー採血(AFP・hCG・LDH)が済んでいるか必ず確認する。術後は値が下がるため、術前値が診断に必須。
- 若年男性が多く、妊孕性(精子保存の説明状況)と喪失への心理面に配慮する。
- 左右の確認をカルテ・同意書・マーキングで照合する。
- 病理検体の提出を確実に行い、記録する。
- 術後の陰嚢の腫脹・血腫の観察を申し送る。
緊急時の対応
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- 精索血管からの出血:結紮糸とシーリングデバイスを追加し、確実な止血を支える。
- 標本の紛失・取り違えは診断不能に直結する。疑ったら全員で手を止めて確認する。
- アナフィラキシーなど急変時は救急カートを搬入し、役割分担する。
- 術後の陰嚢血腫による緊満は再開創になる。連絡経路を申し送る。
確認先・参考資料6
このページの本文は特定の文献を書き写したものではないため、文ごとの一次出典はありません。下記は記述が正しいかを確かめるための公的資料です。実際の手順は必ず自施設の手順書と指導者の指示を優先してください。
- 手術医療の実践ガイドライン日本手術医学会手術室の運用、清潔操作、手術体位、器械・機器の取り扱い、医療安全
- 指針・ガイドライン(安全な麻酔のためのモニター指針・気道管理ガイドラインなど)日本麻酔科学会麻酔方法、術中モニタリング、気道管理、筋弛緩モニタリング
- 手術看護業務基準ほか学会刊行物日本手術看護学会器械出し・外回りの業務基準、体位固定、器械カウント、申し送り
- 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン日本外科感染症学会皮膚消毒、予防的抗菌薬の投与と追加、手術部位感染(SSI)の予防
- 褥瘡予防・管理ガイドライン日本褥瘡学会術中の体圧分散・除圧、褥瘡と皮膚障害の予防
- Mindsガイドラインライブラリ日本医療機能評価機構各診療科の診療ガイドラインの横断検索(学会公式版の所在確認)
リンクは2026年8月4日時点で実在を確認したものです。